【プロが教える】木製ドアの修理は自分でできる?傷やへこみの対処法、よくある質問を徹底解説!

【プロが教える】木製ドアの修理は自分でできる?傷やへこみの対処法、よくある質問を徹底解説!

玄関ドアや家のドアに傷ができたり、腐食していたりしたら、ショックですよね。それだけでなく、害虫や湿気の原因になってしまうこともあります。

この記事では、自分でDIY可能な木製ドアの修理方法や、木製ドアのトラブルについてご紹介します。急にドアが不調を訴えるようになった際、ぜひ参考にしてください。

木製ドアのよくある5つのトラブル

木製ドアのよくある5つのトラブル

木製ドアのよくあるトラブルには、以下の5つが挙げられます。

  1. 開閉しづらい
  2. 傷・へこみ・穴があいている
  3. 表面に剥がれがある
  4. ドアクローザーの調子が悪い
  5. ドアが腐食している

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。

1.開閉しづらい

ドアの開閉がしづらい場合、蝶番の劣化が原因かもしれません。ネジを締め直すことで改善することがありますが、蝶番が変形していると取り替えが必要になります。

この作業はドアを支えながら行う必要があるため、1人では難しく、複数人での作業かプロへの依頼がおすすめです。安全で効果的な修理をするためには、適切な方法を選ぶことが重要です。

2.傷・へこみ・穴があいている

木製ドアは衝撃に弱く、家具にぶつかる、扉にぶつかるなどで簡単に傷やへこみが生じます。小さな傷なら自分で補修できますが、大きなダメージの場合は専門の事業者に依頼すると綺麗に仕上がります。

とくにフラッシュ構造のドアは、内部の空間が原因で衝撃により穴が開くことがあります。フラッシュ構造とは、木枠とドア枠を組み、化粧板などで仕上げられた構造です。

ドアは家や部屋の顔を形作る重要な部分なので、傷やへこみがあれば早めの補修が望ましいです。これによりドアの美観と機能を保つことができます。

3.表面に剥がれがある

フラッシュ構造や合版で作られたドアは、経年劣化や湿気で接着剤が弱まり、化粧板が剥がれることがあります。雨や水分による塗装の侵食も、表面の剥がれの原因になる場合があります。

とくに玄関ドアの場合、剥がれは早急に対応してください。放置した場合、木材の腐敗やシロアリの被害に繋がる可能性が高まります。剥がれが見られる場合は迅速に対処することが重要です。ドアの長期的な保護と維持を図れます。

4.ドアクローザーの調子が悪い

ドアクローザーとは、ドアの開閉を調整する部品です。この部品が、ある日いきなりバタンと閉まるようになった場合は故障の可能性があります。ドアクローザーにはさまざまな種類がありますが、基本的な調整方法は同じです。一度調整方法を覚えれば、多くのドアクローザーを調整できます。

しかし、調整しても改善しない場合、ドアクローザーの交換が必要になることがあります。交換作業は、正確な位置への取り付けが重要であり、間違えると開閉がしづらくなってしまいます。そのため、専門の事業者に依頼するのがおすすめです。

5.ドアが腐食している

ドアの端が腐食している場合、その主な原因は水分です。湿気が溜まったり、ペットの小便によるものだったりが主な理由です。木材は湿気を調整する能力がありますが、過剰な湿気は吐き出す機会がなければ腐食を引き起こしやすくなります。

家の中で湿気が溜まる場所やペットが小便する場所は変わらないため、無垢材であっても端から腐食が始まる可能性があります。腐食を見つけたら、早急に補修することが重要です。この状態が続くとカビが生え広がり、最終的にドアの交換が必要になることがあります。

早めに修理すれば、ドアの耐久性を保ち、扉をまるごと交換する必要を避けられます。

自分でできる木製ドアの修理方法は4つ

自分でできる木製ドアの修理方法は4つ

自分でできる木製ドアの修理方法には、以下の4つが挙げられます。

  1. すり傷やひっかき傷
  2. 浅いへこみ
  3. 小さな穴
  4. 損傷範囲が広い

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。

1.すり傷やひっかき傷

木材ドアのすり傷やひっかき傷は、特定の補修アイテムを使って自分で修復できます。このアイテムはクレヨン型などいろいろなタイプがあり、傷に直接すり込みます。色を調合してドアのカラーに合わせることも可能です。

【修理方法】

  1. ささくれやゴミなどを取り除く
  2. 傷を整える
  3. 傷へ直角に補修アイテムを直接刷り込む
  4. はみ出した部分を付属のヘラで取り除けば完了

上記の手順により、ドアの見栄えを簡単に改善できます。色の調合が難しい場合は、目立たない扉の端などで試し塗りをしてから傷に塗りこんでください。

2.浅いへこみ

無垢の木材ドアで生じる小さなへこみは、エポキシパテを使用して補修できます。このパテは木のように固まり、10分程度で硬化し、ヤスリがけや塗装も可能です。

【修理方法】

  1. 補修部分のホコリやゴミを取り除く
  2. 綺麗な状態にしてしばらく乾燥させる
  3. 補修部分にサンドペーパーをかけて表面を削る
  4. エポキシパテを取り出し、フィルムを剥がしたら必要な分量を切り取る(付属の手袋を使用)
  5. 色ムラがなくなるまで練り合わせる
  6. 練り合わせたパテを4分以内にへこみ箇所に埋め込む
  7. ヘラや湿った布で表面をならして仕上げる

エポキシパテは固まるまで約10分ですが、ヤスリや塗装は24時間以上経過してから行ってください。また、樹脂製品のため、気温が5度以下の環境では使用に適していない点に注意が必要です。適切な方法で補修すれば、ドアの見た目を保ちながら長持ちさせられます。

3.小さな穴

小さな穴の補修には木材用の穴埋め材が適しています。この材料は複数の色が用意されており、木材の色に合わせて選べます。もし近い色がなければ、異なる色の材料を混ぜて色合わせしてみてください。

【修理方法】

  1. 穴やすき間などの周囲のささくれ、ゴミなどを綺麗にして平らにする
  2. ノズルを外して中栓を外す
  3. ノズルの先端を穴に軽く押し当て、中身を押し出す
  4. 穴が埋まれば付属のヘラで軽くすきとる
  5. 綺麗な水で絞った布やスポンジなどではみ出た部分をならす

上記の方法で簡単かつ効果的に小さな穴を補修し、ドアの美観と機能を保てます。

4.損傷範囲が広い

広範囲に損傷を受けたドアの場合、木目の補修シートを貼ることが手間を省き、仕上がりも良くする有効な方法です。

色柄が完全に元のものと一致することはありませんが、DIY補修跡が目立つよりはるかに良い結果が得られます。樹脂系素材の表面の扉には、プライマーを塗って貼れるシートを使用すると剥がれにくいです。

【修理方法】

  1. 扉や扉ノブ、金具などをできるだけ外す
  2. 扉の寸法を測り、縦横ともプラス20cm程余分をとってシートをカットする
  3. 扉の表面の油分や汚れを、薄めた中性洗剤をつけた絞った布で拭き取る
  4. 扉面にプライマーを塗る(小口側や角付近は入念に)
  5. 最初に一辺の角に合わせてシートを貼る
  6. シワにならないよう反対に引っ張りながら少しずつ貼る
  7. シートの位置が決まったら、スキージーで押し付け圧着させていく
  8. 小口をしっかり巻き込んで角は布を当て擦って整形する
  9. 反対の角でシートを切れば完了

切り口をサンドペーパーで軽く研磨すると、はがれにくくなります。この方法で、ドアの見た目を整え、長期間の使用を可能にします。

木製ドアの修理でよくある3つの質問

木製ドアの修理でよくある3つの質問

木製ドアの修理でよくある3つの質問には、以下の3つが挙げられます。

  • 質問1.業者に室内ドアの修理を依頼すると費用はいくらかかる?
  • 質問2.賃貸物件のドアは修理していい?
  • 質問3.ドアの修理に火災保険は利用できる?

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。

質問1.業者に室内ドアの修理を依頼すると費用はいくらかかる?

室内ドアの修理費用は約20,000円から100,000円で、修理内容によって異なります。以下の表は、主な修理内容と修理にかかる費用相場です。

修理内容費用相場
擦り傷や引っかき傷のドアの修理や交換20,000円〜100.000円
凹みや穴あきの修理20,000円〜40,000円
室内ドア・玄関ドアの蝶番の修理や交換30,000円〜100,000円
ドアクローザーの修理や交換20,000円〜70,000円

これらの費用には、プロの出張費や作業代が含まれます。修理を検討する際は、複数のプロに見積もりをもらい、比較検討してください。適切な修理業者を選ぶことで、コストと品質のバランスを見極め、最適な修理を実現できます。

なお、次のページでは、修理が必要となる室内ドアのトラブルや注意点を紹介しています。あわせて参考にしてみてください。

関連記事:室内ドアの修理にかかる費用相場とは?よくあるトラブルもあわせて紹介

質問2.賃貸物件のドアは修理していい?

賃貸物件におけるドアの修理は慎重に考慮してください。契約では「原状回復の義務」が定められており、大家さんや不動産会社の許可なく修理するとトラブルに繋がることがあります。劣化が原因の修理の場合、大家さんが費用を負担してくれる可能性もあるため、まずは相談することが重要です。

賃貸契約内容によっては無断での修理や修理会社への依頼が契約違反になるおそれもあります。そのため、ドアに問題が生じた場合は、自己判断せずに不動産会社などに連絡して対処方法を確認することが望ましいです。適切な手続きを踏むことで、契約違反を避けつつ、ドアの問題を解決できます。

質問3.ドアの修理に火災保険は利用できる?

不意の事故でドアに穴が開いた場合、火災保険で補償される可能性があります。補償内容は火災や台風などの災害による損害だけでなく、日常生活での「不測かつ突発的な事故」による損害も含まれていることがあります。

たとえば、掃除中にドアに掃除機をぶつける、家具の移動中にドアに衝突するなどのケースです。ただし、自己負担額や補償対象外の場合もあるため、事前に保険証書を確認することが重要です。

火災保険で修理をする場合には、「不測かつ突発的な事故」による破損であることを修理会社から申請する必要があります。保険審査の通過をスムーズにするため、申請経験の豊富な修理会社を選んでみてください。適切な手続きをすることで、火災保険を活用してドアの修理を実現できます。

まとめ

まとめ

自分でできる木製ドアの修理方法や、木製ドアのトラブルについてご紹介しました。ドアの傷やへこみなどの不調を放っておくと、美観を損ねるだけでなく、木材の腐敗やシロアリの被害に繋がる可能性が高まります。

また、修理費用が思わぬ高額になることもあります。まずは慌てず、火災保険が適用になるか保険会社に尋ねてみましょう。賃貸の場合は勝手に判断せず、大家さんに判断を仰いでください。

なお、次のページでは、玄関ドアの主な種類や交換方法を解説しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。

関連記事:【プロが教える】玄関ドアの交換にかかる費用目安|交換方法や交換費用を抑えるコツもご紹介!

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