【初心者向け】襖の取っ手を取り替える方法を解説!基本知識や種類、方法についても紹介!

【初心者向け】襖の取っ手を取り替える方法を解説!基本知識や種類、方法についても紹介!

襖は襖紙や襖縁だけでなく、取っ手も経年劣化とともに取り替える必要があります。取っ手が壊れたり、襖紙を貼り替えたりなどメンテナンスが必要な時期に取り替えるのがおすすめです。

今回は襖の取っ手について、基礎知識や取っ手の種類、取り替える方法などをご紹介します。襖の取っ手を取り替える予定がある人や、襖が経年劣化してきている人は参考にしてみてください。

襖の取っ手を取り替える前に理解すべき4つの基礎知識

襖の取っ手を取り替える前に理解すべき4つの基礎知識

襖の取っ手を取り替える前に理解すべきこととして、以下の4つがあげられます。

  • デザインについて
  • 材質について
  • 大きさについて
  • 金額について

ここでは、4つの点についてそれぞれ解説していきます。襖の取っ手について理解しておくことで、取り替える際に理想的な取っ手を見つけやすくなるでしょう。

1.デザインについて

襖の取っ手のデザインは、市販品でも1,000種類以上が存在しているといわれています。一般的には、丸型の取っ手を見かけることが多いでしょう。しかし、丸型の他にも以下のようなデザインの取っ手があります。

  • 菱形
  • 角型
  • 機売り型
  • 角切り
  • 木瓜型

部屋の雰囲気やインテリアに合わせて選ぶのもいいでしょう。ほかにも、取っ手の周りの「座」にもさまざまなデザインがあります。

代表的な丸座のほかに、花座や透かし座などのデザイン性が高いものもあります。取っ手の形と組み合わせて使うのもおすすめです。

2.材質について

取っ手の材質は、大きくわけて以下の2種類があります。

  • 木地引手
  • 金物引手

木地引手の材質は黒檀や竹が主流であり、木目を生かしたデザインや塗装されたデザインが特徴的です。一般的に普及しているリーズナブルな価格帯のものは機械で作られています。

しかし、高級な木地引手は職人により一つひとつ手作業で作られているため、非常に価値が高いことでも知られています。また、最近はプラスチックや陶器などの材質で作られているものもあるようです。

金物引手の材質は、おもに金属が使用されています。以下の種類の金属が使用されることが多いようです。

  • 真鍮
  • アンチモニー

これらの金属に、特殊な色付け加工をして上品な色合いに仕上げます。金物引手の色付け加工は、ただ塗料を塗るだけではありません。以下のような特殊な加工方法で独特な色味を引き出します。

  • 煮込み(金属をじっくり煮込む)
  • くすべ(松の鉋屑を燃やした煙に燻べて煤とヤニを付着させる)
  • 錆づけ(取っ手にどろどろに溶いた赤土を付着させ炭火で炙ることを20回ほど繰り返す)

このほかにも、漆塗りやメッキ仕上げなどの色付け加工もあります。どの加工方法も手をかけられているため、金物引手は高級品として扱われることが多いでしょう。

3.大きさについて

基本的には大・中・小の3種類が使われることが多いでしょう。部屋の襖には大サイズ、天袋や地袋などは中サイズが使われるケースが多くあります。

また、相中・大大・特大サイズもあるため、襖の大きさに合わせて調整するといいでしょう。

4.金額について

襖の取っ手の金額は、色付け加工の方法によって左右されます。基本的に機械ではなく職人の手によってしかできないような加工方法で色付けされた取っ手は金額が高くなる傾向にあります。煮込みやくすべなどの加工方法があげられ、相場は一つ数千円~になることが多いです。

とくに「錆づけ」によって色付けされた取っ手は価値が高く、一つ数万円ほどの金額になることもあります。しかし、プラスチックやメッキなど、機械によって作られ一般的に普及している取っ手はリーズナブルです。相場は数百円程なため、安く手に入れたい人におすすめでしょう。

襖の取っ手の種類は3つ

襖の取っ手の種類は3つ

襖の取っ手の種類として、以下の3つがあげられます。

  • 木字引手
  • 金物引手
  • その他の引手

ここからは、それぞれの種類について詳しく解説していきます。特徴などが異なるため、部屋の雰囲気に合わせやすく理想に近いものを選びましょう。

1.木字引手

木字引手は黒檀や竹のほかに、桜や楓の木からも作られています。とくに塗装はせず木目を生かした「生地もの」と、塗装し絵などが描きあげてある「塗装した引手」の2種類に分けられるでしょう。襖絵に合わせて塗装された取っ手を選ぶのも非常におすすめです。

また、職人により手作業で作られた取っ手は非常に高級品として扱われます。取っ手部分にまでこだわりたい人は、機械ではなく職人によって作られた木地引手を選ぶことをおすすめします。

2.金物引手

金物引手には金属が使われているため、美しい光沢があるのが魅力です。シンプルな襖紙に金物引手を組み合わせることで重厚感が増すため、シックでモダンな部屋にも使いやすいでしょう。和室だけでなく、洋室にも合わせやすいのもおすすめポイントです。

また、色付け加工方法が豊富であり、塗料では出せない上品な色合いを楽しめるのも金物引手の特徴です。伝統的な色付け加工は職人の手作業によって作られるため、数千~数万円と高価であるケースが多いでしょう。

しかし、最近はアルミと鉄を組み合わせたものやステンレス製のリーズナブルな金物引手も販売されています。安く金物引手を使いたい人にはおすすめでしょう。

3.その他の引手

その他の取っ手として、プラスチックや陶磁器のものがあげられます。プラスチックのものは機械で大量生産できるため、比較的安く売られていることが多いでしょう。取っ手部分にこだわりがなかったり、安く手に入れたかったりする人におすすめです。

陶磁器は江戸時代から作られている伝統的な取っ手です。なかには伊万里焼でできた取っ手もあるなど、伝統工芸品としても楽しめるでしょう。

襖の取っ手を取り替える方法

襖の取っ手を取り替える方法

襖の取っ手は、道具ややり方さえ抑えれば自分で取り替えられます。まず、襖の取っ手を取り替えるために以下の道具を用意しましょう。

  • マイナスドライバー
  • ニッパー
  • 新しい取っ手
  • 金づちや木づち

襖の取っ手は、平べったい器のような形になっており、襖紙にぴったりとはまっています。さらに固定するために、襖縁側に向かって真横に1本の釘が刺さっている構造です。そのため、以下のような手順で取っ手の取り替えを行います。

  1. マイナスドライバーを古い取っ手と襖紙の間に差し込み、はまっている取っ手を浮かせる
  2. 釘をニッパーで引き抜く
  3. 取っ手を取り出す
  4. 新しい取っ手をはめ込む
  5. 釘を木づちや金づちで打ち込み固定する

家にある道具で簡単に取り替えられるため、業者に依頼しなくても済むでしょう。すでに新しい取っ手がある人は試してみることをおすすめします。

襖の取っ手を取り替える際によくある2つの質問

襖の取っ手を取り替える際によくある2つの質問

襖の取っ手を取り替える際によくある質問として、以下の2つがあげられます。

  • 襖の取っ手を取り替えるタイミングとは?
  • 襖の取っ手の料金相場は?

ここからは、2つの質問について詳しく解説していきます。

質問1.襖の取っ手を取り替えるタイミングとは?

襖の取っ手を取り替えるベストなタイミングは、襖紙を貼り替えるときに一緒に取り替えるのがおすすめです。取っ手は一見劣化がわかりにくいですが、内部にはカビや錆が発生している可能性があります。

襖紙を貼り替えても取っ手が汚れている場合、新しい襖紙を汚したり長持ちしなかったりする原因になるでしょう。また、取っ手を取り外す際に襖紙が破れるなど破損する可能性があります。

貼り替えのタイミングであれば、万が一破れても影響はありません。そのため、襖紙を取り替える際は取っ手も一緒に取り替えましょう。

質問2.襖の取っ手の料金相場は?

襖の取っ手の料金は、材質や色加工方法などによって異なります。最近広く普及しているプラスチックやメッキ仕上げの取っ手であれば、400~700円ほどが相場でしょう。

しかし、職人により手作業で作られた取っ手や伝統的な色付け加工が施された取っ手は数千~数万円と高値がつく傾向にあります。こだわりがある場合は高級な取っ手を使用するのもいいでしょう。

まとめ

まとめ

今回は襖の取っ手について、種類や取り替える方法などをご紹介してきました。

丸い形の取っ手を見かけることが多いですが、形や材質などの種類は非常に豊富なことで知られています。和室にも洋室にも合わせやすく、デザイン性が高い取っ手も売られているため、取り替える予定がある人は一度見てみるといいでしょう。

また、取り替え方法も比較的簡単です。襖紙を取り替えるタイミングであれば、破損などを気にせずに取り替えられます。この記事を参考に、自分で取り替え作業をしてみることをおすすめします。

ちなみに次のページでは、襖の張り替えにかかる値段の目安を紹介しています。業者選びのポイントも解説しているのでぜひ参考にしてみてください。

【種類別】襖の張り替えにかかる値段の目安は?業者選びのポイントも解説

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