【初心者向け】ふすまの主な種類は4つ|ふすま紙の種類や選ぶ際のポイントを解説します!

【初心者向け】ふすまの主な種類は4つ|ふすま紙の種類や選ぶ際のポイントを解説します!

和室の品格を高めるふすま(襖)は、日本の気温や湿度の変化に適応した素材により、快適な生活空間を演出してくれます。一方で、ふすまは汚れや破れが目立ちやすく、放っておくと時間と共に劣化が進み、部屋全体が古びたイメージに陥りかねません。

この記事では、ふすま紙の種類や選び方のポイントを解説します。よくある質問も紹介しているので、ふすまに関してお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

ふすま(襖)の構成

ふすま(襖)の構成

ふすまは、「ふすま紙」「縁」「引手」の3つの要素から成り立っています。各部分には多種多様なバリエーションが存在し、それぞれの価格帯も異なる点が特徴です。

ふすま紙

ふすま紙は、和ふすまと量産ふすまでの張り方に違いがあり、基本的には下張り紙の上に主となるふすま紙が貼られます。

材質は、通常の紙やビニール、さらには織物を用いた布製のものまでさまざまです。図柄も、伝統的なからかみ文様、絵画調のデザイン、シンプルな無地と多岐にわたります。

さらに特徴的なものとして、消臭機能や防災を考慮した加工がされたふすま紙もあります。

縁は、ふすまの骨格となる重要な部分です。高級感を求めるなら漆やカシュー塗りの「塗り縁」、シンプルでコストを抑えたい場合は「木製縁」「アルミ縁」「プラスチック縁」などの選択が考えられます。

縁の色調や幅を変えるだけで、ふすま全体の見た目や雰囲気が劇的に変わります。部屋のデザインや好みに合わせて縁を選ぶことで、理想の空間を演出することが可能です。

引手

引手は、ふすまを開け閉めする際に不可欠なパーツです。直接ふすま紙に触れずにふすまを操作できるため、紙の損傷や汚れを最小限に抑える役割があります。

引手のデザインは多岐にわたり、「丸形」や「楕円形」「角型」などさまざまな形状が選べます。空間の雰囲気や好みに合わせて最適な引手を選択でき、ふすまのアクセントとしても機能します。

ふすまの種類は4つ

ふすまの種類は4つ

ここでは、ふすまの種類を紹介します。主に次の4つです。

  • 本ふすま
  • 戸ふすま
  • ダンボールふすま
  • 発泡スチロールふすま

それぞれの特徴を詳しくみていきましょう。

1.本ふすま

本ふすまは、長い歴史を持つ伝統的なふすまであり、組子の上に数層を重ねて作られます。

【特徴】

  • 丈夫でソリやねじれに対して耐性がある。
  • 通気性が高く、室内の空気の流れを良好に保つ。
  • 必要に応じて容易に貼り変えられる。
  • 大量生産は難しい。

2.戸ふすま

戸ふすまは、組子にベニヤ板を使用した構造を持つふすまです。主に、洋室と和室の間に設置されることが一般的です。

【特徴】

  • 丈夫で長持ちする強度をもつ。
  • 重量があり、しっかりとした存在感がある。
  • 枠の部分を取り外せない。

3.ダンボールふすま

ダンボールふすまは、芯材にダンボールを使用しており、最近の住宅に増えてきたスタイルです。

【特徴】

  • 軽くて扱いやすく、大量生産が可能である。
  • 低コストである。
  • 張り替えが難しい。
  • 枠の部分を取り外せない。
  • 他のふすまに比べると強度はやや劣る。

4.発泡スチロールふすま

発泡スチロールふすまは、芯材にスチロールの発泡材を使用しており、こちらも最近の住宅でよく選ばれるふすまです。

【特徴】

  • 軽くて扱いやすく、大量生産が可能である。
  • 低コストである。
  • 張り替えが難しい。
  • 枠の部分を取り外せない。
  • 他のふすまに比べると強度はやや劣る。

ふすま紙の種類は5つ

ふすま紙の種類は5つ

つづいて、ふすま紙の種類を紹介します。主に次の5つです。

  • 和紙ふすま紙
  • 織物ふすま紙
  • アイロン接着ふすま紙
  • 再湿のりふすま紙
  • シールふすま紙

それぞれ詳しくみていきましょう。

1.和紙ふすま紙

和紙ふすま紙は、昔からの定番で、日本古来の純白なふすまに多く用いられています。上品な風合い、繊維の細かい和紙や荒いタイプ、光沢の度合い、肌触りなど、さまざまな種類が特徴です。

「鳥の子」はふすま紙のランクを示す言葉で、新鳥の子・上新鳥の子・鳥の子・本鳥の子の順に、質や耐久性、色味が異なり、それに伴い価格も変わってきます。白を基調とした多彩な色合いも魅力で、デザインにより部屋の雰囲気を一新させるでしょう。

手頃な価格から高級なものまで、幅広い価格帯が揃っているので、予算や好みに合わせて選べます。

2.織物ふすま紙

織物ふすま紙は、和紙に天然の繊維や合成繊維を織り込み、強度と耐久性を向上させたふすま紙です。天然繊維を織り込んだものは、麻、絹、木綿などを使用しており、見た目が繊細で高級感があります。

特に天然織物と呼ばれるふすま紙は、織り目が非常に細かく、素材の布質が破れにくいのが特徴です。一方、合成繊維で作られた織物ふすま紙は、織り目が粗く、肌触りはややゴワゴワしますが、耐久性が非常に高いです。

3.アイロン接着ふすま紙

アイロン接着ふすま紙は、アイロンを使用して手軽にふすまの張り替えが可能なふすま紙です。DIYやリフォームに適しており、自分でふすまを張り替える人には大変便利です。

市販されているものは、一般的なふすまのサイズ2枚分がセットで販売されており、価格も手頃なため多くの人に活用されています。さらに、デザインや素材、柄が豊富に展開されており、簡単に部屋の雰囲気を一新できます。

4.再湿のりふすま紙

再湿のりふすま紙は、裏面に薄くのりが付いた状態で市販されているふすま紙です。この特性により、水をつけることでのりが瞬時に溶け、ふすまの張り替えが容易になります。

アイロンタイプやシールタイプのふすま紙と比較すると、貼り換えにはやや手間がかかると感じるかもしれませんが、技術を習得すれば仕上がりはプロ並みの美しさを持つでしょう。貼り付け直後はシワが出ることがあるものの、十分に乾燥させることで、そのシワは消え、きれいな仕上がりになります。

5.シールふすま紙

シールふすま紙は、裏側がシール状になっているふすま紙です。アイロンタイプやのりタイプとは異なり、裏紙を簡単に剥がしてそのままふすまに貼り付けることができるのが最大の特長です。

枠が外れないタイプのふすまにも適しており、張り替え作業が非常に手軽に行えるため、DIY好きには特におすすめです。一方で、大きな面積のふすまを張り替える場合、シールを均等に貼ることが難しく、ズレやシワが生じる可能性があるため、複数人での作業を推奨します。

ふすま紙の種類を選ぶ際のポイントは3つ

ふすま紙の種類を選ぶ際のポイントは3つ

ふすま紙の種類が理解できたところで、次はふすま紙の種類を選ぶ際のポイントを紹介します。

  • 作りたい部屋のイメージに合わせて選ぶ
  • 付帯する機能で選ぶ
  • DIYのしやすさで選ぶ

上記3つのポイントを詳しくみていきましょう。

1.作りたい部屋のイメージに合わせて選ぶ

ふすま紙は、壁紙と同じく部屋のインテリアとしての役割を持ち、空間の印象を大きく左右します。素材や織り方、肌触りのほか、柄の有無、さらには加工法やグレードに至るまで、ふすま紙にはさまざまな特徴があります。

部屋のイメージを作る際、まずはどんな印象や雰囲気を目指すかを明確にし、その上で自分の好みのデザインや色合いを取り入れることが大切です。

たとえば、シンプルな白のふすま紙から少し変えて柄を取り入れることで、部屋の雰囲気は劇的に変化するでしょう。インパクトを求める場合はデザイン豊富なアイロン接着ふすま紙やシールふすま紙を、また繊細な雰囲気を希望するならば織物のふすま紙を選ぶなど、部屋のイメージに合わせてふすま紙を選べば、理想的な空間を作り上げることができます。

2.付帯する機能で選ぶ

ふすま紙を選ぶ際、デザインだけでなく機能性も重要な選択基準です。多種多様なふすま紙の中には、防炎加工や消臭機能、汚れや破れにくさなどの特長を持ったものも存在します。

たとえば、キッチンやトイレといった臭いが気になる場所には、消臭機能を持ったふすま紙が適しています。また、湿度が高い場所や集合住宅の1階などでは、結露やカビが生じにくい和紙のふすま紙を選ぶことで、より快適な生活環境を作り上げられます。

さらに、ペットや小さな子供がいる家庭では、汚れが付きにくく丈夫なビニール製のふすま紙がおすすめです。これらの機能面を考慮して選ぶことで、長期間にわたってふすま紙が持続的に機能を発揮し、快適な空間を実現できます。

3.DIYのしやすさで選ぶ

DIYでふすま紙を張り替える場合、作業の手間を軽減する選択が重要です。アイロン接着ふすま紙やシールふすま紙は、手軽に張り替えができるため、初心者にもおすすめです。

ただし、DIYを進める前に、適切な工具の準備や基本的な技術の習得が必要です。特に、既存のふすま紙の上に新しいふすま紙を貼る際は、破損部分の修復を先に行い、重ね貼りの手法を採用しましょう。

ふすま紙を取り外す際は、枠を正確にもとのふすまに戻せるように注意が必要です。特に複数のふすま紙を同時に張り替える場合、枠の入れ替えを避けるための慎重な作業が求められます。

また、安価で薄いふすま紙を選ぶと、下の模様が透ける可能性があるため、デザインや機能だけでなく、透けにくい素材を選択することも大切です。

ふすまの種類でよくある3つの質問

ふすまの種類でよくある3つの質問

ここでは、ふすまの種類でよくある質問にお答えします。

  • 質問1.ふすまの主なサイズとは?
  • 質問2.ふすまにおける引手の種類は?
  • 質問3.ふすまにはランクがある?

それぞれ詳しくみていきましょう。

質問1.ふすまの主なサイズとは?

ふすまの一般的なサイズは「幅90cm前後」「高さ180cm弱」です。普段見かける襖の多くはこのサイズであるといえます。また、襖は高さによって名称が異なります。

  • 「五七(ごしち)」:五尺七寸(約171cm)
  • 「五八(ごはち)」:五尺八寸(約174cm)

次のページでは、ふすまのサイズや測り方を解説しています。あわせて参考にしてみてください。

関連記事:襖のサイズを測る際の3つの手順を解説!名称や厚みなども紹介します – DIYドア通販本店

質問2.ふすまにおける引手の種類は?

ふすまの引手の種類は、以下の3つがあげられます。

  • 木字引手
  • 金物引手
  • その他の引手

それぞれ特徴が異なるため、部屋の雰囲気に合わせて理想に近いものを選びましょう。次のページでは、引手の種類や取り替える方法を詳しく解説しています。

関連記事:【初心者向け】襖の取っ手を取り替える方法を解説!基本知識や種類、方法についても紹介! – DIYドア通販本店

質問3.ふすまにはランクがある?

織物ふすま紙は、使用される繊維の種類によって品質が異なり、普及版、中級、上級の3つのグレードに分けられます。また、麻、絹、木綿などの天然繊維を採用したふすま紙は高品質とされ、高級品として扱われます。

一方、合成繊維を使用したふすま紙は、価格が手頃で天然繊維に比べると風合いが劣るものの、耐久性には優れているのが特徴です。

まとめ

ふすま紙は、和紙ふすま紙や織物ふすま紙など多種多様に存在し、素材やデザイン性により部屋の雰囲気を大きく左右します。ふすまは部屋の重要な要素であり、破れや汚れがあると部屋の印象も暗くなってしまうため、破損や老朽化したふすま紙は早めの張替えがおすすめです。

シールやアイロンで接着するタイプのふすま紙を選べば、DIYでの張替えも簡単に行えます。もちろん、確実な張替えを望む場合は、専門業者に依頼するのもひとつの方法です。明るく清潔なふすま紙で新たな空間を演出し、快適な生活を過ごしましょう。

次のページでは、ふすまの修理方法を症状別に紹介しています。こちらも参考にしてみてください。

関連記事:ふすまの修理方法を症状別に紹介!DIYする際の注意点も解説します!

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