衝立(ついたて) とは?屏風との違いや空間を仕切るパーテーションの選び方をご紹介!
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衝立は、プライバシーの確保や空間の区切りなど、さまざまな用途で使用される便利なアイテムです。個人の部屋やオフィスなど、活用したい場所にあわせて効果的な衝立・パーテーションを選びたいですが、種類の多さに迷う人も多いでしょう。
この記事では、衝立・パーテーションを設置する目的や選ぶポイントについて解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
衝立(ついたて) とは?
衝立(ついたて)とは、部屋内で仕切りや目隠しとして使われる家具のことです。これは、パーテーションとも呼ばれ、プライバシーを保ちつつ、視覚的な遮断を可能にします。
特にオフィスでは、周囲からの視線を遮ることで集中力を高め、効率的な仕事環境を提供するために用いられます。プライバシーの確保だけでなく、心理的な安心感を与える効果もあります。
また、新型コロナウイルスの流行に伴い、飛沫感染の防止策として飲食店やオフィススペースでの導入が急増しました。多くの公共の場で常設され、利用者間の安全を確保する手段としても広く認識されています。
衝立・パーテーションを設置する目的は4つ
続いて、衝立・パーテーションを設置する目的を紹介します。主に次の4つが挙げられます。
- 視線を遮る
- 動線を分ける
- 音を遮る
- セキュリティを確保する
項目ごとに詳しくみていきましょう。
1.視線を遮る
対面型のデスク配置や、入口や通路に面した席では、周囲からの視線が集中しやすいため、作業に集中するのが難しくなることがあります。
そこで、デスクトップパネルやローパーテーションを設置して視線を遮ることでプライバシーを保ち、集中力を向上させることが可能です。仕事の効率がアップすると同時に、ストレスの軽減にもつながります。
2.動線を分ける
衝立やパーテーションを利用することで、オフィス内の異なるエリア(執務スペース、会議スペース、リフレッシュスペースなど)を効果的に区分けし、社員の動線を明確にすることが可能です。
これにより、業務の効率化はもちろん、仕事と休憩の切り替えをスムーズに行うことができます。適切な空間の配置は、作業環境を最適化し、全体の生産性向上に寄与します。
3.音を遮る
会議室や打ち合わせスペースなど、プライベートな会話が行われる場所には、遮音性の高い衝立やパーテーションの設置が効果的です。これにより、外部からの音の侵入を防ぎ、内部からの音漏れも最小限に抑えることができます。
結果として、秘匿性が要求される会話を安心して行うことが可能になり、会議や打ち合わせに集中することができます。音を効果的に遮断することで、業務の質も向上します。
4.セキュリティを確保する
衝立やパーテーションを用いたセキュリティ対策は、オフィスの安全性を高めるのに効果的です。具体的には、エントランスからの無関係者の立ち入りを制限し、執務スペースには権限を持つ担当者のみがアクセスできるよう区切ることができます。
また、設置により、重要な個人情報や顧客情報が外部に漏れるリスクを軽減し、担当者以外の目から情報を隠します。さらに、セキュリティ強化の一環として、暗証番号や指紋認証システムを組み込んだ高度なセキュリティ錠を設けることで、情報の安全管理をより一層強化することも可能です。
衝立・パーテーションを選ぶポイントは4つ
衝立・パーテーションを選ぶポイントは、次の4つです。
- 種類
- 高さ
- 素材
- 機能
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
1.種類
衝立やパーテーションを選ぶ際は、どのように設置したいかを考えて選びましょう。主な種類には、次のようなタイプが挙げられます。
- 自立型
- 吊り下げ型
- 上下突っ張り型
- 可動型(キャスター付き)
自立型は、「V」や「W」の形に折りたため、場所を選ばず設置が簡単です。一方、吊り下げ型は、コンビニエンスストアのレジや公共のカウンターでよく使用される透明なタイプが一例です。
また、上下突っ張り型は、床から天井まで固定でき、より安定して空間を仕切ることができます。キャスターが付いている可動型は、必要に応じて移動させることができ利便性が向上します。
これらのスタイルを理解し、使用する場所や目的に合わせて適切なタイプを選ぶことが、効果的な空間作りには不可欠です。
2.高さ
衝立・パーテーション選びには、高さも重要です。高さによって視界の遮蔽度が変わり、コミュニケーションの取りやすさやプライバシーの保護レベルに直結します。
低い衝立は、人との交流を保ちつつもある程度の仕切りを提供します。これにより、オフィスなどでのオープンなコミュニケーションが促進されます。一方、高い衝立は、より高度なプライバシーを提供し、会議スペースなどに役立ちます。
適切な高さの衝立を選ぶには、使用する環境や目的を明確にし、どれだけの視界遮蔽が必要か、どの程度コミュニケーションを保ちたいかを考慮しましょう。
3.素材
衝立やパーテーションの素材選びは、設置する空間の印象を大きく左右します。また、素材によって透過性が異なるため、プライバシーの保護やセキュリティ確保の点においても重要です。
主な素材は、次のとおりです。
- 木材
- 段ボール
- フェルト
- 布・クロス
- プラスチック
- スチール
セキュリティを重視する場合、半透明や不透明な素材が適していますが、黒など暗い色の不透明素材は、場合によっては空間に圧迫感を与える可能性があるため注意が必要です。
素材とデザインを総合的に考慮することで、機能と美観を兼ね備えた理想的な衝立を選べます。
4.機能
衝立やパーテーションの選択において、機能性も重要な要素です。
たとえば、家庭で使用する場合、コンパクトに収納できる折り畳み式の衝立が便利です。一方オフィスでは、ホワイトボード機能を持つ衝立だと、空間を仕切るだけでなく掲示板やメモ板としての役割も果たします。
また、防水、防炎、制菌、吸音、防音などの機能が施された衝立・パーテーションもあります。利用するシーンにあわせて考慮するとよいでしょう。
衝立とはでよくある3つの質問
最後に、衝立でよくある質問にお答えします。
- 質問1.衝立はいつからあるの?
- 質問2.衝立と屏風の違いは?
- 質問3.ハイパーテーションとは?
それぞれ詳しくみていきましょう。
質問1.衝立はいつからあるの?
衝立は、約1400年前の奈良時代に日本で初めて使用されたとされています。当時の日本建築は「広間様式」と呼ばれる開放的な構造で、内部の間仕切りが少なかったため、室内を区切る手段として衝立や簾(すだれ)が活用されました。
平安時代に入ると、貴族社会で「衝立障子」として発展し、これが後の障子の原型です。
鎌倉時代から室町時代にかけて、住居内の間仕切りには引き違いの障子が普及し、衝立の使用は減少しました。しかし、江戸時代になると、衝立は庶民の間で再び広がり、板や角材を使った形で急速に普及しました。
明治時代以降、西洋式の建築スタイルが普及するにつれ、一般家庭での衝立の使用は減少しましたが、オフィスや店舗では依然として重宝され、また装飾品や調度品としても人気を保ち続けています。
質問2.衝立と屏風の違いは?
衝立と屏風は日本の伝統的な家具であり、どちらも部屋の仕切りや装飾に使用されますが、機能と形状に違いがあります。
衝立は、一枚の襖障子や板障子を軽量の台に取り付け、基本的には折りたたみができません。主にプライバシーの保護や部屋の区分けとして機能します。
一方、屏風はその名の通り「風を防ぐ」意味をもち、室内の風よけや装飾として使われることが多いです。屏風は紙や絹が貼られた縦長の木枠を複数つなぎ合わせ、折りたたむことができる構造をしています。
質問3.ハイパーテーションとは?
パーテーションは「ローパーテーション」と「ハイパーテーション」の2つに分けられます。
ローパーテーションは、設置が比較的簡単で移動させることもできます。一方、ハイパーテーションは天井や床に固定することで、新しい壁や部屋が空間の中に生まれるイメージです。
高いプライバシーとセキュリティを保つことができるため、オフィスや商業施設での使用にもおすすめです。しかし、簡単に設置できないため、専門業者による施工が必要となります。
まとめ
ここまで、衝立・パーテンションを設置する目的や選び方を詳しく解説しました。空間を仕切る、レイアウトの変更、予算と性能のバランスなど、用途に合わせて選びましょう。
また、衝立やパーテーション選びは、素材やデザインでも雰囲気が大きく変わります。適切な選択で、機能性はもちろん、空間の美観も向上させることができます。
なお、次のページでは、模様替えのレイアウトで失敗しないコツやアイデアを紹介しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。