仏壇は収納しても問題ない?仏間を収納リフォームする際の注意点を徹底解説!

仏壇は収納しても問題ない?仏間を収納リフォームする際の注意点を徹底解説!

仏間がない間取りの住宅が増え、いざ仏壇を設置しようとする際に「どこに置けばいいのか」と頭を悩ます人は多いようです。大きな仏壇はスペースをとるだけでなく、そのまま置くと部屋のイメージにも影響を与えます。

そこで本記事では、仏間を収納リフォームする際の方角や場所、注意点を詳しく解説します。仏壇の置き場所に困っている方はぜひ参考にしてみてください。

仏壇は収納しても問題ない?

仏壇は収納しても問題ない?

近年では仏間がない住宅が増え、奥行きのあるタイプが多い仏壇の置き場所に困るケースは少なくありません。そこで、クローゼットや押し入れなどをリフォームして、仏壇を中に収納すると部屋を広々と使うことができます。

仏壇をしまってしまうとご先祖様に失礼にあたると気になる方もいますが、とくにバチがあたることはありませんのでご安心ください。

しかし、仏壇を収納するのに最適な場所とそうでない場所があります。次の章で紹介する決まりごとや注意点に従い、ふさわしい場所に仏壇を置くようにしましょう。

仏壇を収納する際の方角や場所

仏壇を収納する際の方角や場所

仏壇を安置する際には、適した場所や方角があります。仏壇の設置場所や本尊のしつらえは、仏教の宗派によって異なるため、それに応じた配置が必要です。

一般的には仏壇を北向きに置くのは避けるべきとされていますが、宗派ごとに適した方角は次のとおりです。

宗派方角
浄土真宗・浄土宗・天台宗ご本尊の阿弥陀如来が西方浄土にいるとされるため、仏壇の正面を東に向けるようにします。
曹洞宗・臨済宗お釈迦様が説法の際に南を向いていた教えに基づき、仏壇の正面が南に向くようにします。
真言宗仏壇に向かって拝む延長線上に総本山があるように配置します。(※総本山:和歌山県の高野山金剛峯寺)
日蓮宗北向き以外であれば特に決まりはありません。

このように、宗派により仏壇の置き方が異なるため、自宅の信仰する宗派を確認し、適切な方角に配置しましょう。宗派が不明な場合は、親や親戚に尋ねるか、もしくは既存の仏壇の本尊や脇侍を確認すると分かることがあります。

なお、仏壇の置き場所や高さも重要です。

  • 家族が集まるリビング
  • 床の間がある客間 など

ご本尊は、座ってお参りする場合は目線より上、立ってお参りする場合は胸の高さより上に安置するのが適切です。

仏間を収納リフォームする際の注意点は4つ

仏間を収納リフォームする際の注意点は4つ

続いて、仏間を収納リフォームする際の注意点を解説します。主に次の4つが挙げられます。

  • 仏壇の扉サイズも計測する
  • 電気工事を忘れない
  • 直接日光や湿気が多い場所は避ける
  • 神棚との位置関係に気をつける

項目ごとに詳しくみていきましょう。

1.仏壇の扉サイズも計測する

クローゼットや押し入れに仏壇を設置する際、仏壇の高さや奥行きだけでなく、扉を開けた時のサイズも正確に計測することが重要です。

仏壇の扉は中央で折れ曲がり、両脇に収納できる構造となっています。そのため、扉を開けた状態の幅も考慮して収納スペースを設けないと、仏壇が設置できなくなる可能性があります。

特に、仏壇のすぐ横に壁がある場合は、扉の開け閉めがスムーズに行えるかどうかを確認することが大切です。扉を開けた際のスペースを十分に確保し、仏壇の設置に支障がないようにしましょう。

2.電気工事を忘れない

クローゼットや押し入れをリフォームする際には、電気工事を忘れないようにしましょう。仏壇には照明が付いており、お盆の提灯などでも電気が必要になるため、適切な電気配線が不可欠です。

近くにコンセントがある場合は延長コードを使用することもできますが、見栄えはあまりよくありません。

おすすめは、床下や壁を通して電気の配線を延ばし、仏壇が入る内側の壁にコンセントを設置する方法です。これにより、配線が収納され、見た目もすっきりします。

扉を新設する場合でも問題なく閉めることができ、機能的で美しい仕上がりになります。

3.直接日光や湿気が多い場所は避ける

仏壇を長く美しい状態で保つには、直接日光や湿気が多い場所は避けることが重要です。直射日光が当たる場所に仏壇を置くと、ご本尊やお位牌が日焼け・乾燥などで劣化する恐れがあります。

また、木製の仏壇は湿気に弱いため、湿気の多い場所に置くとカビが発生しやすくなります。

ほかにも、冷暖房の風が直接当たらない場所、電子レンジなど熱を発する電化製品やオーディオなど振動を伴う機器の近くを避ける配慮も大切です。

4.神棚との位置関係に気をつける

神棚とは、家の中で神様を祀る小さな神社のような存在です。神棚と仏壇の両方がある場合、同じ部屋に置くことは問題ありませんが、その配置には注意が必要です。

まず、神棚と仏壇を向かい合わせに置くのは避けましょう。これは「対立祀り」とされ、縁起が悪いとされています。

また、神棚の下に仏壇を置くことも避けるべきです。神様が仏様を踏む形になるため、適切ではありません。二階に神棚、一階に仏壇を置く場合も、同じ場所にならないように気をつけましょう。

神棚と仏壇を同じ部屋に置く場合、神棚が部屋の中心・左側に位置するように配置するのが理想です。これは神様が仏様よりも上位とされるため、部屋の中心に近い場所や、陰陽の方角でいうと向かって左側が適しているからです。

仏間の収納でよくある3つの質問

仏間の収納でよくある3つの質問

最後に、仏間の収納でよくある質問にお答えします。

  • 質問1.仏壇を収納リフォームするメリットとは?
  • 質問2.仏壇に供養は必要?
  • 質問3.仏間を収納リフォームする際の費用目安は?

それぞれの内容について詳しくみていきましょう。

質問1.仏壇を収納リフォームするメリットとは?

仏間のない住宅では、和室やリビングに仏壇を置くことが一般的です。しかし、限られたスペースでは、奥行きのある仏壇が場所を取ってしまいます。

そこで、クローゼットや押し入れをリフォームして仏壇を収納することで、部屋のスペースを狭めることなく仏壇を置くことができます。

また、収納扉を設置すれば、仏壇を置いてもインテリアの統一感が保てます。必要時には扉を開け、それ以外は閉めておくことで、部屋の美観を損なうことなく仏壇を適切に安置できるためおすすめです。

質問2.仏壇に供養は必要?

基本的に、仏壇はむやみに移動させない方が良いとされていますが、家の中だけの移動であれば新たに供養は必要ありません。

ただし、仏壇を一度家の外に出さなければならない場合は供養が必要です。この場合、菩提寺に依頼して「閉眼供養」を行ってもらい、ご先祖様の魂を一旦抜く儀式をします。

引っ越しや家の新築などで仏壇を移動させ、新たな場所に設置する際には「開眼供養」を行い、再び魂を入れてもらいます。このように、閉眼供養と開眼供養をセットで行うことで、ご先祖様に新しい場所の仏壇に入ってもらえます。

また、移動前には「これから仏壇を移動させていただきます」と仏様に線香をあげて挨拶し、移動後には再度線香をあげて無事に完了したことを報告することも忘れないようにしましょう。

質問3.仏間を収納リフォームする際の費用目安は?

仏間を収納リフォームする際の費用目安を紹介します。

  • 押し入れを仏間にリフォームする場合

和室に床の間や押し入れがあれば、仏間を収納リフォームするのがおすすめです。一間(約1.82m)の押し入れの半分に仏壇を収納するスペースを作る場合、費用は10万〜15万円ほどかかります。

  • 扉を設置するリフォームの場合

仏壇を収納する場所に扉を設置する場合、費用は15万〜30万円程度です。

洋風に仕上げたい場合はクローゼット風、和風にまとめたい場合は襖を設置するのがおすすめです。部屋のテイストにあわせて扉の種類を選びましょう。

  • 床の間の飾り棚を仏間にリフォームする場合

床の間にある飾り棚を撤去して仏壇の設置場所を作る場合、費用は5万〜10万円程度です。床框が付いた「二段床」や畳を敷いた「床畳」の場合は床板の張り替えが必要なため、別途費用がかかります。

リフォームの際は、詳しい見積金額をリフォーム業者に確認し、自分のニーズに合ったプランを検討しましょう。

まとめ

まとめ

ここまで、仏間を収納リフォームする際の決まりごとや注意点について詳しく説明しました。仏壇はクローゼットや押し入れをリフォームして収納しても問題ありませんが、宗派による置き方の違いや神棚との関係に注意が必要です。

また、リフォームする際は、理想的な空間になるように施工実績の豊富な業者を選ぶことが重要です。

複数社から見積もりを取り、自分に最適な業者を選びましょう。保険やアフターサービスまでしっかり確認して検討することが大切です。

なお、次のページでは、模様替えで和室をおしゃれに見せるための和モダンインテリアのコツを紹介しています。

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