押入れ塗装の5つのデメリット!どうしても塗装したいときの注意点やおすすめの代替案も紹介
※当社は、建具の販売メーカーです。修理や修繕等は行なっておりませんので予めご了承ください。

「古い押入れの壁を、ペンキで塗ってリメイクしたい」「手軽そうだから、押入れの塗装をして雰囲気を変えてみようかな」などと考えている人もいるのではないでしょうか。
実は、押入れの塗装には多くのデメリットやリスクがあります。そのため、安易に塗装をするとカビが悪化したり塗装前より汚くなったりする可能性もあります。
そこで本記事では、押入れ塗装のデメリットを5つ解説します。また、デメリットを把握したうえでも塗装したいときに注意すべきポイントや塗装以外の代替案もまとめているので、ぜひ最後までチェックしてください。
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押入れを塗装する5つのデメリット
早速、押入れを塗装するデメリットを5つ紹介します。
- カビが悪化する可能性がある
- 塗装の独特な臭いが収納物に染み付く
- 下地処理に手間がかかる
- 塗りムラや液ダレが生じやすい
- 湿気で剥がれやすい
いずれも重要であるため、しっかり一つずつ確認していきましょう。
1. カビが悪化する可能性がある
1つ目のデメリットは、カビが悪化する可能性があることです。
押入れは家の中でも特に湿気がこもりやすく、カビが発生しやすい場所です。そのため、ほとんどの押入れの壁には、わずかながら湿気を吸ったり吐いたりするベニヤ板が使用されています。
そこに塗料を塗ってしまうと、押入れの壁の表面に強力なフィルムが発生してしまいます。フィルムができるとベニヤ板の調湿機能が失われ、壁の内部に湿気が閉じ込められる可能性が高いです。
その結果、押入れの壁の内部で結露が発生しやすくなり、塗装前よりもカビが深刻化してしまうリスクがあります。
たとえ既存のカビの上から塗料を塗っても、カビを封じ込めるだけで根本的な解決にはなりません。塗料のフィルムの下でカビがさらに繁殖し、壁材そのものを腐らせてしまうこともあります。
2. 塗装の独特な臭いが収納物に染み付く
2つ目のデメリットは、塗装の独特な臭いが押入れの収納物に染み付いてしまうことです。
押入れには窓がなく、空気の通り道が襖一つしかありません。密閉空間なので、塗装中はもちろん塗装後も塗料の臭いが非常にこもりやすいです。
そのため、独特な臭いのする塗料が長時間密閉されると、押入れの収納物に臭いが移ってしまう恐れがあります。
一度染み付くと、洗ってもなかなか取れません。大切にしている布団や衣類に独特な臭いが染み付いてしまって、最悪使えなくなることもあり得ます。
3. 下地処理に手間がかかる
3つ目のデメリットは、下地処理に手間がかかることです。
押入れに塗装をするためには、前段階として以下のような下地処理をする必要があります。
- アク止めシーラーを塗る
- ささくれや汚れを削る
- カビを完全に除去する
古い押入れのベニヤ板は、アクやヤニが浮き出てきやすいです。そのため、アク止めシーラーという特別な下地材を塗る作業が必須となります。
また、ベニヤ板の表面にあるささくれや汚れをサンドペーパーで削らなければならないほか、押入れに発生しているカビをカビ取り剤で完全に除去する作業も必要です。
押入れに最初から塗装できるわけではありません。上記のような下地処理を丁寧に行わなければ、綺麗に塗装をしても後からシミができたり新たにカビが発生したりします。
4. 塗りムラや液ダレが生じやすい
4つ目のデメリットは、塗りムラや液ダレが生じやすいことです。
押入れの中は、狭くて身動きが取りにくく照明もあまり届かないため、塗装作業が非常にしにくい場所です。
そのため、ローラーやハケなどを扱うのも難しく、どうしても塗りムラや液ダレが発生しやすくなります。押入れの塗装はプロでも気を使う作業と言われています。
5. 湿気で剥がれやすい
5つ目のデメリットは、湿気で塗装が剥がれやすいことです。
たとえ下地処理を完璧に行ってムラなくきれいに塗装できたとしても、押入れ内部の湿度の変化によって塗料のフィルムが壁から浮き上がってくることがあります。
そうなると塗装は剥がれやすくなり、剥がれた塗料のクズが収納物に付着してしまう場合もあります。
どうしても押入れを塗装したいときに注意すべきポイント
ここまで押入れに塗装するデメリットを5つ紹介しました。
上記のデメリットを理解したうえで「どうしても塗装したい」という方もいるでしょう。そんな人のために、失敗のリスクを最小限に抑える4つのポイントを解説します。
- 防カビ剤が配合された塗装を選ぶ
- 丁寧に下地処理を行う
- 完全にカビを除去してから塗装する
- 塗装中は定期的に換気する
押入れに塗装する前に4つのポイントについて必ず目を通しておきましょう。
防カビ剤が配合された塗装を選ぶ
押入れに使う塗料は、必ず防カビ剤が配合されている製品を選んでください。
また、健康への影響も考慮して、VOC(揮発性有機化合物)の含有量が少ない水性塗料を選びましょう。
そしてその中でも、ホルムアルデヒド放散量が最も少ないことを示す「F☆☆☆☆(フォースター)」認定の製品を選ぶのがおすすめです。
丁寧に下地処理を行う
前述の通り、下地処理は非常に重要な工程です。
アク止め・ヤニ止め効果のあるシーラーを、丁寧にムラなく塗ってください。これを省略すると、塗装後しばらくして押入れの壁に茶色いシミが浮き出てきてしまい、せっかくの塗装が台無しになります。
また、サンドペーパーを使って表面のささくれや汚れも落としましょう。丁寧にヤスリがけをすることで、仕上がりの美しさが大きく変わります。
完全にカビを除去してから塗装する
押入れに発生しているカビを完全に除去することも大切です。
カビの上から塗装をしても、カビは死滅しません。塗料のフィルムの下でカビは生き続けて繁殖します。
そのため塗装する前は、必ずカビ取り剤でカビを完全に除去してください。除去したら消毒用エタノールで拭き上げて、丸一日以上かけて十分に乾燥させましょう。
塗装中は定期的に換気する
作業中は、常に押入れの中の空気が循環するように工夫しましょう。定期的に押入れに向けて扇風機を当てたり部屋の窓を開けたりして、換気を十分に行ってください。
そして、塗装が完了したら、最低でも1週間以上は襖を全開にしたまま換気をし続けてください。塗料に含まれる水分と化学物質を完全に飛ばすには、このくらいの期間が必要です。
もしこの換気を怠ると塗料の臭いが押入れに残って、収納物を中に戻したときに臭いが移ってしまいます。
押入れDIYのおすすめ代替案
押入れ塗装に抵抗があるもののDIYに挑戦したい人のために、おすすめの代替案を4つ紹介します。
- 機能性壁紙を貼る
- リメイクシートを貼る
- 押入れボードを取り付ける
- すのこを取り付ける
機能性壁紙を貼る
機能性壁紙とは、防カビ・調湿・消臭などの機能を備えた壁紙のことです。押入れの悩みを解決するために開発された高機能な壁紙も数多くあります。
機能だけでなくデザインも非常に豊富です。また、のり付きタイプの壁紙ならDIY初心者でも簡単に貼り付けることができます。
リメイクシートを貼る
壁紙よりも手軽にDIYがしたいなら、リメイクシートがおすすめです。木目調やタイル柄などデザインも豊富で、押入れの見た目を変えたい場合にぴったりです。
ただし、リメイクシートはビニール製のものが多く、通気性を妨げる可能性があります。シートと押入れの壁の間に湿気がこもってしまう場合もあるため、その点は注意しましょう。
押入れボードを取り付ける
押入れボードとは、表面に化粧加工がされた石膏ボードのことです。
調湿性に優れておりカビや湿気の悩みを根本から解決できるほか、燃えにくい性質も持っているので押入れの防火性能を上げることが可能です。
ただし、カットや施工に手間がかかるほか比較的コストも高いため、DIY中級者以上向けの代替案となっています。
▼関連記事
押入れボードとは?メリット・デメリットや施工方法も紹介
すのこを取り付ける
押入れの壁にすのこを取り付けるのもおすすめの方法です。
すのこを取り付ければ押入れの壁との間に物理的に空気層を作れるため、通気性を確保することができます。
比較的お手頃な価格の製品が多いので、DIY初心者でも試しやすいでしょう。
ただし、すのこはやや厚みがあり、押入れに設置すると収納できるスペースが狭くなってしまう可能性があります。
▼関連記事
押入れ用のすのこ5選!すのこの必要性や選ぶときのポイントも紹介
押入れに塗装するときはデメリットも把握したうえで実行するか検討しよう
本記事では、押入れを塗装する5つの大きなデメリットや塗装するうえでの注意点などを解説しました。
押入れの塗装には、主に以下のようなリスクが伴います。
- カビを悪化させるリスク
- 収納物への臭い移りのリスク
- 塗りムラや液ダレが生じるリスク
また、事前準備に手間がかかったり塗装後も剥がれてしまう可能性があったりなどのデメリットも存在します。
これらのリスクやデメリットを考慮して、塗装するのか慎重に検討してください。本記事では塗装の代替案も紹介しているので、そちらも参考になれば幸いです。
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