床の間に合う掛け軸の選び方|種類・季節・シーン別のおすすめと飾り方の基本マナー

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床の間に合う掛け軸の選び方|種類・季節・シーン別のおすすめと飾り方の基本マナー

床の間は、和室の中でもひときわ存在感のある、日本ならではの特別な空間です。ここに掛け軸を飾ることで、住まいに品格と季節の趣を添えられます。

本記事では、掛け軸の種類や季節・シーン別の選び方、飾り方のマナーまで、初心者でもわかりやすく丁寧に解説します。

また、使っていない床の間を収納へリフォームする方法も紹介しているので、参考にしてみてください。

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床の間に飾る掛け軸の種類と特徴

床の間に飾る掛け軸の種類について解説します。

書の掛け軸は、文字がもつ力強さや美しさを通じて、見る人の心に深く響く、日本文化を象徴するアイテムです。「寿」「福」「無事」などの文字はお祝いの場にふさわしく、訪れる人の気持ちを明るくしてくれます。

また、「一期一会」や「和敬清寂」などの禅語は、見るだけで気持ちが落ち着き、日常の中にほっとする時間を与えてくれます。シンプルですが印象的で、空間全体を引き締めてくれるのも魅力です。

山水画や花鳥画などの絵画タイプの掛け軸は、季節ごとの自然の美しさやいきいきとした風景が描かれていて、見ているだけで心がほっとします。

たとえば春の桜や秋の紅葉、川辺で遊ぶ鳥たちなど細やかでリアルな描写から、日本らしい自然の風景や美意識が伝わってきます。季節感を出したいときや、お部屋にちょっと彩りをプラスしたいときにもぴったりです。

落ち着いた色の山水画は通年で使えるため、初めて掛け軸を選ぶ方にもおすすめです。

仏画・人物画

仏画や人物画の掛け軸は、心を落ち着かせたい場所や、格式を大切にしたい空間におすすめです。仏教行事や法要、仏間などでよく使われ、仏様の姿や聖人の肖像などが丁寧に描かれています。

全体的に控えめな装飾と落ち着いた色合いのものが多く、静かな気持ちで祈りや感謝を込めて飾るのにぴったりです。

モダン掛け軸

最近では、書や伝統的な絵にとらわれないモダンな掛け軸も人気です。たとえば、抽象的なデザインや北欧風テイストを取り入れた「和モダンアート」なら、洋室のリビングや玄関にも自然になじみます。

色やかたちにこだわったデザイン性の高い作品は、お部屋のアクセントになり、現代の暮らしに合った新しい楽しみ方ができます。

床の間に飾る掛け軸の選び方

床の間に飾る掛け軸の選び方を3つのポイントに分けて解説します。

部屋の広さ・床の間のサイズに合った掛け軸を選ぶ

掛け軸を選ぶ際にまず意識したいのは、床の間のサイズとのバランスです。掛け軸が大きすぎると圧迫感が出てしまい、逆に小さすぎると寂しい印象を与えます。

一般的には床の間の幅の3分の1から2分の1程度の幅、丈は床面から天井の3分の2程度を目安にすると、全体の調和が取りやすくなるでしょう。

また、奥行きが浅い床の間には、すっきりとした細身の掛け軸が映える傾向があります。掛け軸を飾ることで空間が引き締まり、格式と趣のある和室が演出できます。

色味やテーマが和室全体と調和しているかを意識

掛け軸を選ぶときは、デザインだけでなくカラーやモチーフが周囲の和室の内装とマッチしているかも重要です。壁の色、畳の色、柱の木材色など、周囲の要素と調和の取れた掛け軸は、空間全体を自然で洗練された雰囲気にまとめてくれます。

たとえば、明るい壁色には柔らかい色味の掛け軸が、暗めの空間にはメリハリのある濃い色味の作品が映えることもあるでしょう。また、和室のテーマが「モダン」や「古民家風」などある場合は、それに合った雰囲気の掛け軸を選ぶと空間全体が引き立ちます。

「通年用」と「季節用」を使い分ける

掛け軸には一年を通して飾れる「通年用」と、季節ごとに楽しむ「季節用」があります。

通年用には、山水画や松竹梅、抽象的なモチーフなどが多く用いられており、シンプルで落ち着いた雰囲気を空間にもたらしてくれるのが特徴です。

一方で、春の桜や夏の朝顔、秋の紅葉や冬の椿といった季節のモチーフを描いた掛け軸は、四季の変化を空間で楽しめます。複数枚の掛け軸を持っていれば、季節やシーンに応じて使い分けることも可能です。

季節や行事に合わせた掛け軸の選び方

季節や行事に合わせた掛け軸の選び方を紹介します。

春(桜・若葉・鯉のぼりなど)

春は新しい始まりを感じさせる季節なので、掛け軸にも、明るくてやさしい雰囲気のものを選ぶと、和室が一気に春らしくなります。たとえば、桜や若葉、梅などは春の定番モチーフです。

端午の節句には鯉のぼりや兜を描いたものもおすすめです。新生活のスタートを彩る春には、前向きな言葉や元気の出るデザインを飾ると、気持ちまで晴れやかになるでしょう。

夏(竹・朝顔・涼感のある水辺の画など)

暑い夏には、見た目に涼しさを感じられる掛け軸がおすすめです。たとえば、竹や朝顔、水辺の風景、風鈴やうちわなど、見ているだけで涼やかな気分になれる絵柄が人気です。

淡いブルーやグレー、墨色を使ったデザインなら、湿気の多い季節でもスッキリとした空間に仕上がります。

秋(紅葉・月・菊・柿など)

秋は実りと落ち着きの季節です。紅葉や柿、満月、菊など、秋らしいモチーフが描かれた掛け軸は、見る人の気持ちをほっとさせてくれます。

特に中秋の名月に合わせた「月」をテーマにしたものは、季節感も高まります。落ち着いた色味や構図が多いので、来客のある和室にもぴったりです。

冬(椿・正月飾り・干支など)

冬の掛け軸は、雪景色や椿といった落ち着いたモチーフに加えて、お正月らしい干支や松竹梅、「迎春」「寿」といったおめでたい言葉が描かれたものが人気です。白や赤、金などの色を取り入れると、静かな中にも華やかさがプラスされて、床の間が一気に明るい雰囲気になります。

新年を迎えるタイミングには、心機一転できるような掛け軸を飾って、気持ちよく新しい年をスタートさせましょう。

シーン別|床の間におすすめの掛け軸選び

シーン別のおすすめの掛け軸を紹介します。

日常用・飾って楽しむ場合

日常的に床の間を活用したい場合は、シンプルで飽きのこない掛け軸を選ぶのがポイントです。

落ち着いたデザインを選ぶことで、日々の生活に自然と溶け込み、和室全体の雰囲気を損なわずに楽しむことができます。

たとえば、山水画や静かな自然風景、書であれば「和」「静」など穏やかな印象の言葉を用いたものがおすすめです。さらに、色味についても派手すぎない落ち着いたトーンのものを選ぶと、和室の内装と自然に調和し、飽きのこない空間づくりに役立つでしょう。

来客時・おもてなしの場面

お客様を迎える場面では、季節感や品のあるデザインが好まれます。

たとえば「一期一会」「和敬清寂」などの禅語や、四季を感じる花鳥画を選ぶと、控えめながらも心配りが伝わる印象的な空間を演出できます。

和室の雰囲気を壊さず、静けさの中に心を込めた表現を感じられる掛け軸が最適です。格式のある空間を目指すなら、書と花を組み合わせた飾り方もおすすめです。

慶事(結婚・出産祝い・節句など)

慶事に合わせて掛け軸を飾る場合は、「寿」「慶」などお祝いの文字が入った書や、華やかな花の画などがおすすめです。

お正月や節句などの年中行事にも使えるモチーフを用いた掛け軸も重宝します。色彩は赤や金などの縁起の良い色が多く、明るく祝いの気持ちを伝えるデザインが多いのが特徴です。

結婚祝いや新築祝いで訪問客を迎える際にも、掛け軸で空間を華やかに演出することで、気持ちのこもった印象を与えられます。

仏事・法要などの場合

法事や仏事の際には、仏画や蓮の花などを描いた静かなトーンの掛け軸が選ばれます。

あまり色を多用せず、墨や淡い色彩で描かれたものが多く、空間に厳かな雰囲気をもたらします。

宗派や家のしきたりによっては、特定の仏像や言葉がふさわしい場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。格式を保ちつつ、訪れる人が落ち着ける空間をつくることが大切です。

掛け軸をより美しく見せる飾り方のマナーとコツ

掛け軸をより美しく見せる飾り方のマナーとコツを紹介します。

床の間の中央に軸先がくるようにバランスを調整

掛け軸を美しく飾るためには、床の間の中心に軸先(掛け軸の先端)がくるように配置することが大切です。左右のバランスが取れていないと、空間全体が歪んで見えたり、不安定な印象を与えてしまいます。

また、高さの位置も重要で、軸の中心が床の間の視線の位置にくるように調整すると見栄えがよくなります。

一幅一瓶一台の基本構成で飾ると格式が出る

伝統的な床の間の飾り方には、「一幅(掛け軸)・一瓶(花)・一台(置き物)」という基本構成があります。掛け軸を中心に、生け花や季節の花を入れた花器、焼き物や香炉などの置き物を組み合わせることで、空間に奥行きと品格を与える飾り方です。

三点のバランスを意識しながら配置することで、格式を感じさせる空間演出が可能になります。

照明(スポットライト)で陰影をつけると印象が変わる

掛け軸をより美しく見せたいなら、照明の使い方にもこだわりたいところです。特にスポットライトや間接照明を使うと、掛け軸に自然な陰影が生まれ、作品の奥行きや表情が際立ちます。

照明の位置は掛け軸の正面や斜め上から柔らかく当てるのがベストです。和室の雰囲気を壊さないよう、白熱灯のような温かみのある光を選ぶと、落ち着いた印象になります。

使っていない床の間は収納スペースへのリフォームがおすすめ

「床の間はあるけれど、何も飾らずにそのまま…」「物を置いているだけで、活用しきれていない」という方は多いのではないでしょうか?

そんな床の間は、収納スペースとしてリフォームするのがおすすめです。

デッドスペースを有効活用できる

床の間は本来、「掛け軸や花を飾る空間」として作られましたが、現代ではその文化が根づいていない家庭も多く、単なる空きスペースになっているケースが少なくありません。

そのため、収納スペースとしてリフォームすれば、住まい全体の収納力がアップし、生活感を隠せます。

床の間は奥行きも高さもあるため、収納として活かしやすく、工夫次第で見せる収納にも隠す収納にも対応可能です。

扉や棚をつければクローゼットや押入れとして使える

床の間に扉や棚を取り付けることで、クローゼットのような実用的な収納空間に生まれ変わります。

既存の床柱や壁を活かしながら造作すれば、空間の統一感も保ちやすく、和室の雰囲気にもよくなじみます。

布団や季節家電、書類、子どものおもちゃなど、収納物に合わせて棚を調整できるのも大きなメリットです。扉をつけて隠す収納にすれば、生活感を出さずに空間をすっきり見せられます。

まとめ

床の間に飾る掛け軸は、選ぶモチーフや飾り方次第で、和室の印象が大きく変わります。

種類や季節、シーンに合わせて掛け軸を選び、バランスよく飾ることで、格式と心のこもった空間が完成します。

初心者の方も基本を押さえれば難しくありません。ぜひ、暮らしの中に日本の美を取り入れてみてください。

DIYドア通販本店では、床の間を簡単にクローゼットへリフォームできるクローゼットドアを販売しています。

気になる方はぜひチェックしてみてください。

※当社は、建具の販売メーカーです。修理や修繕等は行なっておりませんので予めご了承ください。