「茶室の床の間を美しく整える基本と飾り方|寸法・位置・タブーまで解説」
※当社は、建具の販売メーカーです。修理や修繕等は行なっておりませんので予めご了承ください。

茶室の床の間は、ただ物を飾るだけの場所ではなく、亭主の心や季節の移ろいを伝える大切な空間です。
しかし、いざ整えようと思うと「何を飾ればよいのか分からない」「マナーや配置に決まりはあるの?」と迷うことも多いのではないでしょうか。
本記事では、茶室の床の間を美しく整えるための基本や飾り方のポイントを、初心者の方にも分かりやすく解説します。
掛け軸や花、香合の意味や選び方、やってはいけないタブー、さらに季節や格に応じた調和のコツまで、幅広く紹介します。
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茶室の床の間に飾るものと意味
茶室の床の間には、茶の湯の精神を表す掛け軸や花、香合などが飾られます。
飾りは単なる装飾ではなく、客人へのもてなしの心や季節感を伝える大切な役割を担っています。
掛け軸の種類と選び方
床の間に掛ける掛け軸は、その日の茶席の趣旨や季節に合わせて選ぶのが基本です。禅語や詩句、仏画などがよく用いられ、静けさや精神性を空間に添えます。
たとえば、初釜や特別な茶会では、縁起のよい言葉や四季を感じさせる表現が好まれます。
掛け軸を選ぶ際は「格」にも注意が必要です。格式高い茶会では正式な書家による作品を、カジュアルな席では柔らかい表現の掛け軸を選ぶと全体の調和が取れます。
香合の置き方とポイント
香合は香を入れる小さな器で、通常は掛け軸の前や床の間の脇に、控えめに置かれます。置き方には基本的な作法があり、正面を客に向けず、やや斜めに置くのが礼儀とされています。
陶器・漆器・木製などさまざまな素材や形があり、季節に合わせて選ぶのが茶室のしきたりです。
実際に香を焚かない場合でも、香合がそこにあることで場が引き締まり、静けさと品格が生まれます。
茶室の床の間にふさわしい花
茶室に飾る花は「茶花」と呼ばれ、自然の姿をそのまま活けることが基本です。華やかな洋花や人工的なアレンジは避け、野に咲くような素朴で季節感のある花が好まれます。
たとえば、春は椿、夏は桔梗、秋は萩や薄、冬は水仙といった具合に、四季折々の花を楽しみます。
花器には竹や陶器など、自然素材を使うことが多く、空間との調和が大切にされます。一輪の花にも亭主の心配りが表れ、豪華さではなく、静かな美しさを大切にするのが茶室ならではの流儀です。
【床の間のタブー】飾ってはいけないもの・やってはいけない配置
床の間は、格式と精神性を重んじる空間です。そのため、飾るものや配置には細かなマナーが求められます。
床の間に飾ってはいけない花とその理由
茶席では、香りの強すぎる花や毒性のある花は避けるのがマナーです。
たとえば、ユリやバラなど香りが強い花は、茶の香りを邪魔してしまいます。また、彼岸花やスイセンなど毒性のある花も、たとえ美しくても控えるのが礼儀です。
さらに、枯れやすい花や管理が難しい花も、茶席の品格を保つうえでは不向きとされます。
茶花にふさわしいのは、控えめで素朴、そして命の儚さを感じさせるような花です。
掛け軸の扱いにおけるマナー違反
床の間の中心に飾る掛け軸は、茶席の印象を左右する重要なため、扱いには十分な注意が必要です。
季節や茶会の趣旨に合わない掛け軸を選ぶことは、礼を欠く行為とされます。また、汚れがあるものや折れたままの掛け軸を使う、斜めに掛けるなどもマナー違反です。
掛け軸の内容にも配慮が必要で、縁起の悪い言葉や場にそぐわない表現のあるものは避けましょう。
掛け軸は、亭主の心遣いや品格を映すものなので、細部まで丁寧に整えたいですね。
季節や格に合わない取り合わせ例
茶室の飾りは、季節感と「格」の調和が重要です。
たとえば、真夏に梅の花を飾るような季節外れの演出や、格式の高い本席にカジュアルな飾りを置くなどは、違和感を与えてしまいます。
掛け軸・花・香合のバランスが取れていないと、空間の印象がぶれてしまい、落ち着きがなくなってしまいます。
茶の湯では「一座建立:亭主と客、道具や空間が一体となること」が大切にされています。飾りの格やテーマの統一感を意識することが、その基本となります。
初心者向け:茶室の床の間を整えるポイント
床の間を整える際は、難しく考えすぎず、まずは「シンプルで季節感のある設え(しつらえ)」を目指しましょう。
基本的なマナーや配置をおさえたうえで、無理のない範囲で準備することが大切です。
季節感・格・目的の調和を意識する
茶室の床の間を飾る際には、「季節感」「格」「茶席の目的」を軸にするのがポイントです。
たとえば、祝いの席では華やかな雰囲気に、追善の席では落ち着いたものを選ぶのが基本です。花や掛け軸はあくまで空間に馴染むよう、主張しすぎないものを選びましょう。
茶室の床の間は、形式美だけでなく、亭主の心を表現する場でもあります。全体の調和を意識することで、品のある空間が生まれます。
少しの飾りでも心をこめて
たとえ飾りが少なくても、一つひとつに心を込めて丁寧に整えることが大切です。
一輪の花や一幅の掛け軸が、茶席の空気をがらりと変える力を持っています。
数や豪華さではなく、「どれだけ気持ちを込めたか」が空間に表れ、客人の心を和ませてくれます。
初心者でも参考になる飾り方の例
初めて床の間を整える場合は、基本に忠実なシンプルなスタイルがおすすめです。
たとえば、季節の掛け軸と一輪の茶花、そして小さな香合だけでも十分に整った印象になります。飾りが少ない分、それぞれの存在感が引き立ち、凛とした空間を演出できます。
花器や香合は無地で落ち着いたものを選ぶと失敗しにくく、空間にもよく馴染みます。大切なのは、見せようとするよりも、素直な気持ちで整えることです。
まとめ|茶室の床の間は「心を映す鏡」
茶室の床の間は、ただの飾りの場所ではなく、亭主の心やもてなしの気持ちを映す鏡のような存在です。
掛け軸や花、香合に込めた思いや、細やかな気配りが空間の空気を整え、茶席の印象を決定づけます。
茶の湯の精神である「一期一会」を胸に、床の間の設えを丁寧に味わい、心を込めて整えてみてください。
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