仏間をリフォームでつくる方法3選|床の間との違いや費用目安、よくある質問もご紹介!
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基本的に仏壇は仏間に設置しますが、いままで仏壇を持っていなかった家庭では仏間が存在しない場合があります。そのため、家の既存のスペースをリフォームして仏間を検討する方も多いでしょう。
この記事では、仏間の概要や床の間との違い、仏間を設置する場合のリフォーム例を紹介します。費用目安も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
そもそも仏間とは?
仏間は和室の一角に設けられ、仏壇や位牌を安置するためのスペースとして重要な役割を果たしています。この場所は先祖の霊を祀り、仏様と向き合う場所であり、冠婚葬祭の際には親戚や訪問者が仏壇に線香を上げることもあります。
そのため、仏間は玄関や縁側など家の入口付近に設置されることが多く、風通しの良い、静かで居心地の良い場所が適しています。また、直射日光や湿気を避け、上部に設置物を作らないなど、環境面も重要視されます。
床の間の隣に設けられることもあり、和室内の重要なスペースとして位置づけられています。
仏間の間取り
仏間の配置は、とくに方角に注意します。宗派によって異なりますが、一般的には南向きか東向きが好ましいとされており、これは仏壇が北または西に背を向ける形になるためです。
また、伝統的な日本家屋において、仏間はしばしば縁側に隣接する和室に設けられます。これは、かつて日本の葬儀やその他の儀式が縁側を通じて行われていた歴史的背景が影響しています。
床の間との違い
床の間は和室内の一段高くなった部分で、掛け軸や花、時には壺などを飾るためのスペースです。すべての和室に床の間があるわけではなく、主に客間に設置され、財力や威厳を示す象徴になることもあります。
床の間は仏間とは異なる役割を担っていますが、床の間に仏壇を置くことは不適切ではありません。ご先祖様への敬意を示すことにつながるため、仏間がない場合は、床の間に仏壇を設置することが望ましいとされています。
仏間を設置する場合のリフォーム3選
続いて、仏間を設置する場合のリフォーム例を3つ紹介します。
- 床の間を仏間にする
- 押入れを仏間にする
- 部屋全体をリフォームする
項目ごとに詳しくみていきましょう。
1.床の間を仏間にする
仏壇を設置したくても余計な費用をかけたくない場合、自宅に床の間があればそのまま仏壇を置くことが可能です。ただし、床の間はもともと仏壇の設置を目的とした構造ではないため、場合によっては設置が難しいこともあります。
たとえば、飾り棚が邪魔になる可能性があります。その場合は、飾り棚を取り除くなどの小規模なリフォームが必要になるかもしれません。また、二段床や畳がある場合も、それらを撤去する費用が生じることがあります。
2.押入れを仏間にする
和室に床の間がない場合、押入れを仏間にするのもひとつの選択肢です。まずは押入れ内の不要なものを整理し、スペースを作ることから始めます。
ただし、押入れには中板が存在することが多く、大きな仏壇が入りにくいことがあります。その際は、襖や中板を取り除いて仏壇を収めるスペースを確保しなければなりません。中板を撤去すれば、大半の仏壇は設置可能になります。
さらに、押入れを仏間として使うためには、壁や天井にクロスや化粧板を施し、仏間らしい雰囲気を作ることが重要です。また、照明のためのコンセント設置も必要になるでしょう。
押入れが広くスペースが余る場合は、半分のスペースだけを仏間にするという方法もあります。これにより、残りの部分は他の用途に利用することができます。
3.部屋全体をリフォームする
和室に仏間がない場合、部屋を全体的に和モダンスタイルでリフォームするのもおすすめです。
これにより、仏間を含めた和室が古臭い印象から脱却し、現代的でありながら日本の伝統を尊重した空間に変わります。仏壇を置いても、日常的に使わない部屋になりにくいのもメリットです。
仏間を使用しない場合のリフォーム2選
仏間を使用しない場合のリフォーム例もご紹介します。
- 書斎にする
- 収納スペースにする
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.書斎にする
仏間のスペースが1畳ほどあれば、段差と棚を撤去し、デスクやコンセントを設置することで、仕事や読書に適した書斎に変身させることが可能です。とくにテレワークが導入されている職場の場合、新たな作業スペースとしての活用が期待できます。
新たにコンセントを設置すると費用がかかるため、延長コードや電源タップを活用して既存の室内コンセントから電源を引き込む方法も効果的です。このアプローチにより、手軽かつコストを抑えつつ、機能的な書斎スペースを実現できます。
2.収納スペースにする
使用していない仏間を押入れや棚にリフォームすることで、収納スペースとして再利用できます。
このリフォームは比較的簡単で、引き戸や仕切りを設置する程度で済みます。仏間は仏壇を置くだけのスペースがあるので、多くの物を収納でき、部屋をすっきりと整理することが可能です。
仏間のリフォームにかかる費用目安
仏間のリフォーム費用は、規模や工程によって異なります。
たとえば、床の間を仏間に変える場合、費用は約3万〜10万円です。しかし、床の間の構造によっては、リフォームの工程と費用が変わります。
造り付けの飾り棚がある場合は、撤去してスペースを作るだけなので、コストはあまりかかりません。一方で、二段床や床畳のある場合は、床板の張り替えなどの追加工程が必要になり、費用が高くなります。
押入れを仏間に改装する場合は、約15万〜25万円が目安です。壁や天井の張り替え、照明用コンセントの設置など、より多くの工程が必要になるため、費用もそれに応じて増加します。
また、仏壇のサイズに合わせてスペースを作る必要があるため、リフォーム費用は仏壇の大きさに比例する傾向があります。
仏間のリフォームでよくある3つの質問
さいごに、仏間のリフォームでよくある質問にお答えします。
- 質問1.床の間に仏壇を置いても大丈夫?
- 質問2.仏間がある部屋の古い印象を変えたい場合は?
- 質問3.仏壇の購入・撤去の際に必要なものは?
それぞれ詳しくみていきましょう。
質問1.床の間に仏壇を置いても大丈夫?
多くの人が「お仏壇は仏間に設置すべき」と考えていますが、実際にはスペースの都合上、仏間を設けるのが難しい場合もあります。その場合、床の間に仏壇を置いても問題はありません。
床の間は、和室の中でもとくに神聖な場所とされており、仏様を敬う意味でも仏壇を設置するのは適切です。リビングや寝室でも問題はないものの、床の間に設置する方が、見た目も自然で美観を損なうこともありません。
質問2.仏間がある部屋の古い印象を変えたい場合は?
仏間や床の間がある部屋の古い印象を一新したい場合、和モダンへのリフォームが人気です。
従来の和室はライトグリーン、ホワイト、ベージュ、ライトブラウンなどの淡色が主流で、質素なデザインでした。これに対し、和モダンスタイルではブラックやブラウンなどの濃色を取り入れ、和室の伝統的な良さを保ちつつ、現代的なスタイリッシュさを取り入れています。
壁や天井、障子の変更だけでなく、机や座布団の色味を変えたり、床をツートンカラーにしたり、間接照明を導入することでも、和モダンな雰囲気を演出することが可能です。
質問3.仏壇の購入・撤去の際に必要なものは?
仏壇は特別な家具であり、購入や撤去には特定の手続きが必要です。
【購入時】
仏壇を専門店で購入した後、菩提寺に連絡して開眼供養を依頼します。これはお坊さんに読経してもらい、仏壇に祀られる仏様や位牌に魂を込め、「目を開く」儀式です。
【撤去時】
仏壇を移動させたり撤去する際には、購入時の開眼供養とは逆の閉眼供養が必要です。これは「魂抜き」とも呼ばれ、仏壇に宿った魂を抜き取り、物としての状態に戻す儀式です。
閉眼供養後は、仏壇の処分をお寺に依頼し、お布施として1万円から5万円程度を納めるのが一般的です。
まとめ
仏壇の置き場所に困った場合、和室の床の間や押入れをリフォームして仏間にすることが可能です。
床の間に飾り棚がある場合、これを撤去して仏壇を設置すると良いでしょう。また、押入れを利用する場合は壁や天井の張り替えにより仏間を作成できます。
また、仏間は清潔に保つことが重要です。経年劣化が目立つ場合は、仏間だけでなく部屋全体のリフォームをおすすめします。これにより、美観も向上させることができます。
なお、次のページでは、おしゃれな和室リノベーションにするコツや事例、費用相場について紹介しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。