猫間障子とは?特徴やメリット・デメリット、設置方法を解説

※当社は、建具の販売メーカーです。修理や修繕等は行なっておりませんので予めご了承ください。

猫間障子とは?特徴やメリット・デメリット、設置方法を解説

猫間障子とは、障子の上部に開閉可能な小窓がついた日本の伝統的な建具の一つです。

室内の風通しや採光を調整しやすく、昔の町屋や和室で広く使われてきました。そのデザイン性と機能性から、現代の住宅やリフォームにも取り入れられることが増えています。

本記事では、猫間障子の特徴やメリット・デメリット、設置方法について詳しく解説します。猫間障子を取り入れたい方や、和室の雰囲気を大切にしたい方はぜひ参考にしてください。

DIYドア通販本店では、破れにくい障子紙を使った障子を販売しています。3種類の組子デザインから選べるため、部屋の雰囲気を大きく変えることも可能です。

猫間障子とは?

猫間障子(ねこましょうじ)は、障子の上部に小さな開閉式の窓が付いた、日本の伝統的な建具の一つです。この小窓は「猫間」と呼ばれ、必要に応じて開け閉めできる構造になっています。主に和室の間仕切りや室内ドアとして使われ、風通しや採光を調整する役割を果たしてきました。

近年では、デザイン性や実用性の高さから、和モダンな住宅やリノベーションに採用されることも増えています。猫間障子を取り入れることで、和の趣を活かしながら快適な室内環境を作ることが可能です。

雪見障子との違い

雪見障子と猫間障子は、どちらも上部が障子で、下部に小窓がある点が共通しています。

主な違いは小窓が開閉できるかです。

猫間障子は下部の小窓が開閉可能で、猫が通れるように設計されています。一方、雪見障子の下部の小窓は開閉不可で、主に外の雪景色を楽しむために作られています。

このように、開閉可能か不可かが両者の大きな違いです。

もともとはガラスなしだった

現在では、猫間部分にガラスが入ったデザインもありますが、もともとの猫間障子にはガラスが使われていませんでした。ガラスが普及する以前の猫間障子は、猫がいつでも通れるように、障子の一部に障子紙を貼らず、枠のみにしていたのが一般的です。

現代の住宅では、断熱性や防音性を考慮し、ガラスをはめ込んだ猫間障子も登場しています。

猫間障子のメリット

猫間障子のメリットを紹介します。

通気性を確保できる

猫間障子の最大のメリットは、通気性を確保できる点です。障子の下部に開閉可能な「猫間」があることで、障子を閉めたままでも空気の流れを作ることができます。

特に、湿気がこもりやすい日本の住宅では、風通しを良くすることが重要です。夏場の暑い時期や冬場の結露対策としても有効で、快適な室内環境を維持しやすくなります。

採光を調整できる

猫間障子は、開閉することで採光の調整が可能です。通常の障子と異なり、猫間部分を開けることで、光の入り方を微調整できます。

朝や昼間の自然光を上手に取り入れたいときや、部屋の明るさを一定に保ちたいときに便利です。

カーテンやブラインドとは異なり、柔らかい光を拡散させるため、室内が落ち着いた雰囲気になります。

プライバシーを守りつつ開放感を演出できる

猫間障子は、視線を遮りながらも開放感を演出できる建具です。障子全体を閉じていても、猫間を少し開けるだけで圧迫感を軽減でき、適度な抜け感を作り出せます。

特に、隣接する部屋との間仕切りとして使う場合、完全に閉じると閉鎖的になりがちな空間も、猫間を活用することで広がりを感じられるようになります。

和の趣を演出できる

猫間障子は、伝統的な和の雰囲気を演出するのに最適です。障子紙と木枠の組み合わせが、ナチュラルで落ち着いた印象を与え、日本らしい美しさを感じられます。

和室だけでなく、洋室やモダンなインテリアにも調和しやすく、デザイン次第でさまざまな空間に取り入れることができます。和モダンな住宅やリノベーションの際にも、アクセントとして活用できる点が魅力です。

猫間障子のデメリット

猫間障子のデメリットを紹介します。

設置コストがかかる

猫間障子は、通常の障子に比べて構造が複雑なため、設置コストが高くなる傾向があります。

特にオーダーメイドで作成する場合や、高品質な木材や和紙を使用する場合は、価格がさらに上がることもあります。

また、設置には専門的な技術が必要な場合もあり、施工費がかかる点もデメリットの一つです。

メンテナンスが必要

障子全般に言えることですが、猫間障子も定期的なメンテナンスが必要です。特に障子紙は破れやすいため、張り替えが必要になることがあります。

また、猫間の開閉部分は可動部があるため、長年使用すると動きが悪くなったり、ゆがみが生じたりする可能性があります。

定期的に点検し、必要に応じて修理や調整を行うことが重要です。

既存の住宅に後付けするのが難しい場合がある

猫間障子は、設置スペースや建具の構造によっては後付けが難しい場合があります。特に、現代の住宅では既存のドア枠や壁の厚みなどが障子の設置に適していないこともあり、加工が必要になることがあります。

また、既存のサッシ窓と組み合わせる場合も、取り付け方法を工夫しなければならないケースがあるため、事前の確認が必要です。

猫間障子の価格相場

一般的な猫間障子の価格相場は7万円前後です。しかし、猫間障子の価格は、使用する素材やデザイン、サイズ、オーダーメイドの有無によって大きく異なります。

例えば、特注のものであれば10万円以上かかるものもあります。

既製品の猫間障子は比較的安価で購入できますが、サイズやデザインが限られるため、設置する場所に合うか事前の確認が必要です。一方、オーダーメイドで作る場合は自由度が高いものの、コストが高くなる傾向があります。

また、施工費用が別途かかる場合もあるため、購入前にトータルコストを把握しておくことが重要です。

簡易的な猫間障子の作り方

猫間障子をDIYで作成することも可能です。ここでは、比較的簡単に作れる方法を紹介します。

材料と道具

猫間障子を作るために必要な材料と道具は以下のとおりです。

  • 既存の障子(または木枠)
  • 障子紙またはアクリル板
  • 木材(猫間部分の枠用)
  • ヒンジ(蝶番)
  • ノコギリ、ドライバー、カッター
  • 接着剤または釘

作り方

  1. 猫間部分を決める
    既存の障子の下部に、開閉できる猫間を設ける位置を決めます。一般的には下部1/4程度のスペースを確保するとバランスが良くなります。
  2. 枠をカットする
    猫間部分にする障子の一部をノコギリで切り取ります。切り取った部分に新しく作る枠を取り付けるため、サイズを正確に測っておきましょう。
  3. 猫間のフレームを作る
    切り取った部分に合わせて、木材で小さな障子枠を作成します。障子紙を張る場合は、通常の障子と同様に木枠に貼り付けます。アクリル板を使用する場合は、枠に固定できるように加工します。
  4. ヒンジで取り付ける
    作成した猫間のフレームを、元の障子枠にヒンジで取り付けます。開閉しやすいように、ヒンジの位置や取り付け角度を調整してください。
  5. 仕上げる
    障子紙やアクリル板を取り付けた後、全体のバランスを確認し、必要に応じて微調整します。

この方法で作成すれば、比較的手軽に猫間障子をDIYで再現できます。ただし、元の障子の強度や開閉のスムーズさを考慮しながら作業することが重要です。

障子枠をカットするのが不安であれば、一部の障子紙を剥がすだけでも猫間障子風にできるでしょう。

まとめ

猫間障子は、通気性や採光を調整できる便利な建具ですが、設置にはコストがかかるため、予算や住宅環境に合わせて選ぶことが大切です。

既製品やオーダーメイドの選択肢があるほか、DIYで簡易的な猫間障子を作成することも可能です。

和の趣を演出しながら、快適な住空間を作る一つの方法として、猫間障子の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

DIYドア通販本店では、破れにくい障子紙を使った障子を販売しています。通気性や吸湿性・保湿性など障子の良い点は活かしたまま従来の障子紙よりも破れにくくなっています。

※当社は、建具の販売メーカーです。修理や修繕等は行なっておりませんので予めご了承ください。