襖に鍵をつけるには?確認したいポイントから取り付け方法まで徹底解説

襖に鍵をつけるには?確認したいポイントから取り付け方法まで徹底解説

襖には、一般的に鍵はついていません。しかし、プライベートの確保や防犯上の理由などで襖に鍵をつける必要が出てくる場合があるのではないでしょうか。

本記事では、襖に鍵をつける際、鍵の代用になるアイテムや穴を開けずに比較的簡単に鍵を後付けする方法から、DIYで取り付ける鍵のやり方までご紹介します。襖に鍵を付けたいと思ったときに確認すべきチェック項目も解説しています。

一般的に襖に鍵はついていない

一般的に襖に鍵はついていない

室内で使用されている襖には、通常鍵はついていません。室内用のドアタイプの襖は蝶番で動き、洋風の開き戸とは構造が異なります。どちらも鍵がついていることは少ないのです。

しかし、小さな子どもやペットに入られたくない部屋がある場合には、出入り口の襖や障子に鍵を後付けしたくなることもあるかもしれません。鍵のない襖にあとから鍵をつけることができれば、プライバシーの保護や安全確保も可能です。本記事では、室内用の襖に後付けで鍵をつける方法を紹介します。

襖に鍵をつける前に確認しておきたいポイント

襖に鍵をつける前に確認しておきたいポイント

襖に鍵をつける前に確認しておきたいポイントには、以下の3つが挙げられます。

  1. 戸板の素材
  2. 設置場所のサイズ
  3. 取り付け側

ここではそれぞれのポイントについて解説しますので、詳しく見ていきましょう。

1.戸板の素材

襖に鍵を後からつける場合、注意しなければならないのは取り付ける場所の材質と厚みです。室内用の襖は玄関ドアや木のドアほど堅牢性が必要ないため、軽くて薄い木材や紙材でできている場合がほとんどです。

鍵を購入する際は、材料や厚みに合った鍵を買う必要があります。

ビスで留めるタイプの鍵は、ビスが貫通しない程度の厚みがあるか、ビスが抜けるほどのやわらかい材料でドアができていないかをしっかり確認します。両面テープタイプの鍵は、設置したい場所の材質をチェックし、その場所に接着可能かを見てください。

もし合わない鍵を買ってしまうと、ビスが刺さらなかったり、両面テープがつきにくかったりして鍵の役目を果たさなくなってしまいます。

2.設置場所のサイズ

鍵を設置したい場所のサイズを確認することは非常に重要です。測る場所は2カ所あり、1つめは戸板の厚みです。戸先錠(とさきじょう)の鍵錠を収納するためのスペースや、ビス留めタイプでビスの先端が飛び出さないスペースを確保することが必要になります。

2つめは、天井側レール部分の深さと幅です。ほとんどの引き戸では、戸板を持ち上げて外しやすくするため、床側のレールは浅く、天井側のレールは深い構造になっています。

さらに、レールの凹凸を利用するタイプの補助錠は、設置スペースを確保しやすい天井側レールにつけるのが一般的です。床側にも補助錠をつけて二重ロックにする場合には、床側は両面テープの鍵にするのがおすすめです。

サッシロックを使いたい場合は、戸板同士の隙間や床側レールと戸板の隙間が、ストッパーを引っ込めた状態の最小の厚みよりも3〜4ミリ程度大きいことが必要となります。

3.取り付け側

室内側で「部屋にいるときに外から扉を開けられたくない」のか、室外側で「危ない場所に人やペットが入らないようにしたい」のかで鍵をつける位置が変わります。もし部屋にいるときに自室の襖を開けられたくないなら、室内側に設置できるタイプの鍵を選ぶのがおすすめです。

小さな子どもやペットに入ってほしくない場所には、室外側に設置するタイプか、室内・室外両方から開け閉めできるタイプを選んでください。

鍵の代用になる2つのアイテム

鍵の代用になる2つのアイテム

襖の鍵の代用になるアイテムは、以下の2つが挙げられます。

  1. 突っ張り棒
  2. 消しゴム

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。

1.突っ張り棒

突っ張り棒を使えば、襖につける鍵の代用となります。使い方は非常に簡単で、襖と壁の間に立てるだけです。その際には、子どもやペットの手が届かないような場所に突っ張り棒を設置することがポイントです。

また、突っ張り棒を鍵の代用にする場合には、内側から鍵をかけることになります。鍵をかけたい人が部屋の中にいるときだけ鍵をかけてプライベート空間にして過ごしたい場合に取り入れられる方法です。

2.消しゴム

消しゴムも襖の鍵の代用として使用できます。こちらの使い方は、市販の消しゴムを購入し、敷居の溝の太さよりも大きくて太いものを準備します。

使い方も非常に簡単です。消しゴムを敷居よりも大きく削り、溝の上部にねじ込むことで襖が動かなくなり、鍵の代わりになります。

しかし、鍵といえども消しゴムなので、強い力には弱く、思い切り襖を引いてしまうと消しゴムが取れてしまうことが考えられます。

穴を開けずにつけられる2種類の鍵

穴を開けずにつけられる2種類の鍵

襖に穴を開けずにつけられる鍵には、以下の2つが挙げられます。

  1. ワンタッチ式サッシロック
  2. 補助錠

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。

1.ワンタッチ式サッシロック

両面テープで貼るタイプで、簡単に鍵をつけることができます。百均ショップやインターネットでも購入が可能です。

取り付け方も簡単で、貼り付けシールをはがして窓の上部に貼るだけです。貼る際には、貼り付け位置にサッシロックを軽く貼り付け、サッシロックが閉じた状態で襖が閉じることを確認した上で強く貼り付けてください。

襖の材質によっては、サッシロックをはがす際に襖が破れてしまう可能性があります。取り付けの際にははがすことも考えたうえで設置してください。

2.補助錠

サッシや引き戸に使える補助鍵も、襖に設置すれば簡易的な鍵になります。まずは鴨居がわか敷居がわ、どちらに鍵を取り付けるのか決めてください。上部の鴨居がわのほうが溝が深く、しっかり固定できます。

補助鍵を最大限ゆるめてから、溝に合うようにツマミを回してください。鍵がかかった状態で襖を動かし、開けることができなければ取り付けできた証拠です。襖が動いてしまう場合には、もう少し強めにツマミをしめてください。

補助カギは百円ショップでも簡単に手に入ります。すぐに襖に鍵をつけたいと思った際には、すぐに作業できる方法です。

DIYで取り付けられる2種類の鍵

DIYで取り付けられる2種類の鍵

襖にDIYで取り付けられる鍵には、以下の2つが挙げられます。

  1. 掛け金+南京錠
  2. 鎌鍵

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。

1.掛け金+南京錠

掛け金は倉庫や小さな木箱などに使用される、ステンレス、または金属製の小さな鍵のことです。こちらの掛け金に、南京錠をつけることで襖の鍵にする方法になります。

掛け金自体は、ホームセンターやネットショッピングから購入が可能です。南京錠も同様にホームセンターなどで売られていることが多いため、簡単に購入できます。

ただし、この方法は襖自体に傷や穴を開ける方法なので、賃貸の場合にはほかの方法を検討してください。

掛け金+南京錠の取り付け方法

掛け金と南京錠を襖に取り付ける方法は、以下の通りです。

  1. 柱もしくは壁に、掛け金の半分を釘やネジで固定する
  2. もう半分の掛け金を襖に固定する
  3. 扉を閉めた状態で南京錠をつける

襖に取り付ける位置によっては、釘やネジを取り付ける際に破れてしまうおそれがあります。また、この方法はあくまでも簡易的な鍵のため、強い力で襖を引かれると壊れてしまう可能性があります。

2.鎌鍵

鎌鍵とは、鍵を回すと鎌状の突起が回転して引っ掛かり、鍵がかかる仕組みです。襖にこの鎌鍵を取り付ける方法があります。

鎌鍵を取り付ける際には、扉本体に鍵をつける場所と、鎌鍵をひっかけるための場所2ヵ所に穴をあけることになるため、大がかりな作業が必要になります。なお、この方法はふすまの周辺を大きく変える作業となるため、賃貸住宅の場合は必ず契約内容を確認して、大家さんに相談・報告のうえ行ってください。

鎌鍵の取り付け方法

襖に鎌鍵を取り付ける方法は、以下の通りです。

  1. 鎌鍵の取り付け位置を決める
  2. ドリルを使って、鎌鍵のサイズに穴をあける。下に新聞紙や紙などを引いておくと木くずをまとめて捨てられる
  3. 受け座と呼ばれるストライクをマスキングテープなどで仮止めする
  4. ストライクの位置が決まったら、ネジを締める
  5. 鎌鍵の本体もネジを締める
  6. 開閉に違和感がないことを確認する

鎌鍵を襖に取り付ける際は、テープで貼るだけの作業と比べると難易度が上がります。もし自分で行う自信がない場合には、鍵の専門家に相談・依頼してください。

襖に鍵をつけるときによくある3つの質問

襖に鍵をつけるときによくある3つの質問

襖に鍵をつけるときによくある質問には、以下の3つが挙げられます。

  • 質問1.襖に鍵をつける目的は何ですか?
  • 質問2.襖に鍵をかける費用相場はどれくらいですか?
  • 質問3.襖に鍵をつける際、気をつけたいことはありますか?

ここではそれぞれの質問について解説しますので、詳しく見ていきましょう。

質問1.襖に鍵をつける目的は何ですか?

襖に鍵を取り付ける目的としては、セキュリティやプライバシーの保護や、子どもまたはペットによる開閉を防止する目的が考えられます。

また、部屋の中にいる人が在室時のみ鍵をかけ、襖を開かないようにする、外出時に誰かに入られないようにするといったことも考えられます。

ただし、賃貸の場合は無断で襖に鍵をつけてしまうと、退去時に補修費を請求されてしまう可能性があります。どうしても鍵の取り付けが必要な場合は大家さんと相談のうえ取り付けてください。

質問2.襖に鍵をかける費用相場はどれくらいですか?

襖に鍵をつけるのが初めての場合は、業者に依頼するのがおすすめです。費用相場は襖1枚5,000円から、補助鍵や南京錠を使う場合は5,000円程度で作業してくれます。

鎌鍵の取り付けのような、穴あけ工事を含む工事の場合は部品代も合わせて20,000円から30,000円程度かかります。

知識や経験がないまま、穴あけ工事のような大きな変形を伴う作業をしてしまうと、失敗してしまうかもしれません。工事費用はかかるものの、プロならば素早く確実に鍵を取り付けてくれます。

質問3.襖に鍵をつける際、気をつけたいことはありますか?

襖に鍵をつける場合、傷をつけたり穴をあけたりしてしまうと、賃貸では退去時に原状回復の義務が生じてしまいます。

賃貸にお住いの場合には、傷をつけない方法で鍵を取り付けてください。ただし、傷をつけない・穴をあけない方法では防犯性や耐久性が劣ってしまいます。

もし本格的に鍵を取り付けたい場合は、事前に大家さん、あるいは管理会社に相談してください。マンションに住んでいる場合でも同様に、管理組合に鍵の取り付けの相談、あるいは申請を行う必要があるかもしれません。

まとめ

まとめ

襖に鍵をつけたいケースとして、プライバシーの保護や子どもあるいはペットなどが部屋に侵入しないようにする、部屋にいるときだけ鍵をかけたいなどがあります。襖に鍵を取り付ける際には、戸板の素材や設置場所のサイズ確認などが必要になります。

また、襖に鍵を取り付ける方法としては、鍵の代替品となるアイテムを使って簡易的に鍵を取り付ける方法や、DIYにて穴をあけて本格的に鍵を取り付ける方法などがあります。襖に鍵を取り付けたいと思った際には、本記事をぜひ参考にしてください。

ちなみに、次のページでは、戸襖を洋風ドアにする方法を紹介しています。

【おすすめ】戸襖を洋風ドアにする方法!選ぶポイントやメリットも解説します

関連記事